観光庁が16日に発表した旅行・観光消費動向調査の速報値で、今年4~6月期の日本人の国内旅行消費額は、前年同期比1・6%増の5兆4018億円となった。調査対象を拡充した2010年以降では、4~6月期として最高値を記録した。
国内旅行消費額のうち宿泊旅行は、同1・7%増の3兆9864億円だった。月別で見ると、4月が前年同月比9・9%減の1兆1475億円だったが、5月が同10・2%増の1兆6177億円、6月が同3・6%増の1兆2212億円となった。
日帰り旅行は、前年同期比1・3%増の1兆4154億円。月別では4月が前年同月比5・8%減の4199億円だったが、5月が同2・2%増の5328億円、6月が同7・5%増の4627億円となった。
消費額の増加は、旅行者数の増加に伴うもので、宿泊、日帰りを合わせた延べ旅行者数は、前年同期比3・0%増の1億7023万人。消費額と同様に10年以降では4~6月期として最多だった。内訳は宿泊旅行が同0・9%増の7954万人、日帰り旅行が同5・0%増の9069万人だった。
1人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が同0・8%増の5万120円と微増。日帰り旅行は同3・5%減の1万5607円だった。
4~6月期の日本人の国内旅行の動向について観光庁の田村明比古長官は、消費者のマインドの持ち直し、5月の日並びの良さをはじめ、6月が全般的に天候に恵まれたこと、大きな自然災害がなかったことなどをプラス要因に挙げて、「国内旅行を取り巻く環境は比較的良好だった」との見方を示した。