観光関係者を中心とする「日中観光文化交流団」の3千人が中国を訪問し23日夕、北京市の人民大会堂で開かれた「日中友好交流大会」に参加した。中国側は習近平・国家主席をはじめとする政府要人が出席し、この交流団を歓迎。名誉団長として率いた二階俊博衆議院議員(自民党総務会長、全国旅行業協会<ANTA>会長)と習主席はそれぞれあいさつの中で、日中友好とそれを実現する民間交流の重要性を強く訴えた。
交流団は、日中間の交流拡大を目的として日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、日本観光振興協会(日観振)が主催。趣旨に賛同して3162人が参加した。高橋はるみ北海道知事、西川一誠福井県知事、荒井正吾奈良県知事、上田清司埼玉県知事の自治体首長や超党派の議員も加わっている。
日中友好交流大会では習主席が登場すると、驚く参加者からの割れんばかりの拍手が大会場に鳴り響いた。習主席は右手を上げて、にこやかな顔でこれに応えた。
習主席は、交流団の訪中に歓迎の意を表し、「中日は一衣帯水で、平和と友好が両国人民の心の主旋律だ。中日友好の基盤は民間にあり、中日関係の前途は両国人民の手に握られている」と日中友好につながる民間交流の大切さを強調した。
続いてあいさつした二階名誉団長は「日中関係を支えているのは、時々の政治情勢に左右されない民間レベルの深い人的関係だ」と自身の信念を示し、「日中の平和友好を次の世代に引き継ぐことがわれわれの使命であり、皆さんとともに実現したい」と呼び掛けた。
日中双方の参加者を代表して、絹谷幸二団長(洋画家)が「日中友好交流大会」民間宣言も読み上げた。中国側要人は、汪洋・副総理や楊潔箎・国務委員、李金早・国家旅游局長、王安順・北京市長も出席。中国料理の提供と中国舞踊などのアトラクションも行われ、交流団をもてなした。
翌日の主催者会見で田川博己JATA会長は「新たな日中間の交流が始まる記念すべき日にしたい」、山口範雄日観振会長は「日中間の連携で双方向の観光需要を盛り上げたい」と語った。同行議員団を代表した山本幸三・衆議院議員(自民党観光立国調査会長)は「観光面でも今回の大会は大変すばらしいものだった」と評価した。
交流団関連の行事として5月22~24日、中国の旅行会社との商談会、消費者向けのトラベルフェアなども実施された。
習主席(右)と握手する二階名誉団長=23日、人民大会堂で