厚生労働省は10月30日までに、2012年度の全国の旅館・ホテルの営業施設数と客室数をまとめた。それによると、今年3月末現在の旅館軒数は前年度比1452軒減の4万4744軒となり、4万5千軒の大台を割った。減少に歯止めがかからない。一方、ホテルも同67軒減の9796軒。これまで増加傾向にあったが、減少に転じた。ただ、客室数はわずかながら増えている。
旅館・ホテル、簡易宿所、下宿を含めた「旅館業」の12年度の営業施設数を見ると、前年度比992軒減の8万412軒となっている。簡易宿所を除き、いずれも減少しているが、旅館の減少幅が最も大きい。
旅館4万4744軒の客室数は同2万471室減の74万977室、ホテル9796軒の客室数は同629室増の81万4984室。ホテルの客室数は09年度に初めて旅館を上回ったが、その差はわずか6177室だった。しかし、12年度では7万4007室まで広がっている。
都道府県別に見ると、旅館軒数は軒並み減っている。減少幅が最も大きいのは茨城県で、1年間で98軒も減っている。次いで大分県(82軒)、新潟県(75軒)、長野県(67軒)、静岡県(65軒)の順。
軒数そのものが多いのは静岡県(3090軒)で、ただ1県、3千軒台を維持している。これに北海道(2559軒)、長野県(2525軒)、新潟県(2115軒)が続く。最も少ないのは佐賀県と香川県で322軒にすぎない。客室数では北海道が4万8387室と最も多く、以下、静岡県(4万5923室)、東京都(4万4768室)、長野県(4万135室)の順。
一方、ホテルで軒数が減ったのは17都県。前年度の14都府県よりも増えており、総軒数の減少につながった。目立つのは新潟県の73軒減ぐらいで、その他は小幅にとどまっている。
軒数そのものが多いのは北海道(687軒)で、以下、東京都(684軒)、長野県(514軒)、兵庫県(410軒)と続く。最も少ないのは徳島県の34軒。