帝国データバンクが3月に行った2021年度の業績見通しに関する企業の意識調査では、21年度に増収増益を見込む企業割合は、旅館・ホテルが34.4%と、51業種中9位だった。20年度に新型コロナで大きな打撃を受けたサービス業が上位に並んだ。一方、資金繰りが苦しいと感じる企業割合が高い業種は、旅館・ホテルが1位。サービス業が上位で目立っている。
21年度に増収増益を見込む企業割合は、全業種計で27.4%。新型コロナの影響が広がり始めた前年同月の調査から13.9ポイント上昇した。
このほか減収減益が26.0%、前年度並みが19.6%、増収減益が5.5%、減収増益が4.7%、その他が16.8%。
増収増益見通しの割合が高い業種は、輸送用機械・器具製造(40.4%)が1位で、以下、飲食店(39.0%)、放送(37.5%)、娯楽サービス(37.3%)、鉄鋼・非鉄・鉱業(37.2%)、人材派遣・紹介(36.5%)など。旅館・ホテルは34.4%と、9位に位置している。
一方、減収減益を見込む企業割合が高い業種は、各種商品小売が38.1%で1位となっている。
21年度の業績見通しを上振れさせる材料は(複数回答)、「感染症の収束」が45.6%で1位。「個人消費の回復」(42.9%)、「公共事業の増加」(20.9%)が続く。
今年3月時点の資金繰り状況は、「楽である」が43.2%、「苦しい」が13.6%、「どちらでもない」が40.6%。企業の規模別では、規模が大きくなるほど「楽」の割合が高くなっている。
資金繰りが苦しいとする企業割合が高い業種は、旅館・ホテルが40.6%で1位。以下、「娯楽サービス」(35.8%)、「飲食店」(27.1%)、「運輸・倉庫」(20.6%)、「広告関連」(同)など、サービス関連の業種が目立っている。