旅館・ホテルの1月DI、2カ月連続1桁台


 帝国データバンクが全国の企業に行った今年2月の景気動向調査では、旅館・ホテルの景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)が4.4と、前月から1.0ポイント上昇したものの、2カ月連続1桁と依然、厳しい状況だ。全業種の合計は1.9ポイント増の35.8と、3カ月ぶりに上昇。製造業を中心に持ち直しているが、「個人消費関連は低水準で推移するなど、業種により景況感に温度差が表れている」(同社)。

 51の業種中、1桁台は旅館・ホテルのみ。2番目に低い飲食店(12.8)とも大きく差が開いている。

 旅館・ホテルは昨年3月から6カ月連続で1桁台に落ち込んだ。緊急事態宣言が発出された4月は1.5と最低値を記録。Go Toトラベル事業開始後の9月以降は上昇傾向が続き、11月は28.8まで回復。ただ、同事業の一時停止に伴い、DIは再び落ち込んでいる。

 ほかの業種を見ると、最も高いのが42.9の「専門サービス」。「放送」の42.6が続く。前月から最も大きく上昇したのは8.0ポイント増の「家電・情報機器小売」(36.3)。

 前月から低下したのは電気通信(8.2ポイント減の38.1)、飲食料品小売(0.7ポイント減の33.1)など10業種にとどまった。

 10の地域別では、4カ月ぶりに全てが上昇。都道府県別では42都道府県が上昇した。「一部地域で緊急事態宣言が発出されていたものの、感染者数の減少傾向や自宅内消費の拡大、域内の主要産業の持ち直しなどがプラス要因となった」(同社)。

   ◇   ◇

 景況感に関する企業の主な回答は次の通り。

 「10都府県への緊急事態宣言が継続し、人の動きが止まっている」(現在、悪い、旅館)。

 「移動自粛、緊急事態宣言、Go Toキャンペーンの中止で売り上げが激減している」(現在、悪い、旅行業代理)。
 「観光客、ビジネス客の減少が続いている」(現在、悪い、各種食料品小売)。

 「新型コロナウイルスの影響でホテル、レストランからの受注が激減」(現在、悪い、金物卸売)。

 「輸入果実の約60%がホテル、外食向け需要であり、緊急事態宣言で不良在庫の山。長期在庫はできず、捨て値で販売をしている」(現在、悪い、果実卸売)。

 「新型コロナウイルスの影響でアウトドア需要(弊社の場合は釣り)が活性化し、顧客増、稼働増加が発生している」(現在、良い、マリーナ業)。

 「観光関連は良くないが、日常用の食品が急激に回復している」(現在、良い、釣り・はえ縄漁業)。

 「新型コロナウイルス下で、宅配業が追い風を受けている」(現在、良い、食料・飲料卸売)。

 「ワクチンが行き渡るまでに時間を要する。各国の入国制限の厳格化が長期化する」(先行き、悪い、一般旅行)。

 「先の景気に関しては、1年後も厳しいと思っている。既存のサービスに加えて新たなサービスを提供し、市場の変化への対応を検討している」(先行き、悪い、港湾運送)。

 「新型コロナウイルス感染症の収束や、東京五輪・パラリンピックの開催または中止により左右される」(先行き、どちらでもない、中古自動車小売)。

 「新型コロナウイルスの収束が見えてきた。新事業を検討中」(先行き、良い、酒場・ビアホール)。

 
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