
コンサルタントのリョケンはこのほど、四半期ごとに実施している全国の旅館・ホテル対象の短期観測アンケートの結果を公表した。それによると、今秋(9〜11月)の自館の客数見込みは前年比横ばいが減少し、増加と減少が増えるなど“二極化傾向”が鮮明になった。また夏休み(7月下旬〜8月末)の客数実績は、前半の不調を後半盛り返し、前年比増加という回答が目立った。
調査は9月11〜25日、全国の旅館・ホテル685軒に実施した。回答数は113軒で、回答率16.5%。
秋の自館の客数見込みは、「増加傾向」26.8%、「横ばい傾向」39.3%、「減少傾向」33.9%の回答。前年に対して「横ばい」が約10ポイント減少した半面、「増加」が秋の見込み数値で過去最高を記録した。「減少」も前年を6ポイント以上上回った。
「増加」が「減少」を上回ったのは西日本地区のみ。九州と中国地区がこの夏の好調を持続している。
基本宿泊単価と総宿泊単価は、全体の約7割の旅館・ホテルが「横ばい傾向」(前年並み)と回答した。総宿泊単価では、「上昇傾向」17.9%、「横ばい傾向」67.0%、「下降傾向」15.2%の回答。前年に比べ「下降」が3.1ポイント増加したが、これは館内消費の減少が主な要因となっている。
一方、夏休みの自館の客数実績は、「増加傾向」42.3%、「横ばい傾向」30.6%、「減少傾向」27.0%の回答。前年は一昨年の愛知万博の反動で「増加」が増えたが、今回はさらに増加した。前半は台風の影響で不調だったが、後半は天候に恵まれて好転した。
地域別では、能登半島地震と新潟県中越沖地震の影響で新潟県と北陸地区が厳しい状況。長野県は前年の水害の反動から、回答旅館・ホテルすべてが「増加」と回答した。石見銀山の世界遺産登録で島根県も順調に客数を増やしている。
