帝国データバンクによると、旅行業者のホワイト・ベアーファミリー(大阪市北区、資本金8375万円)と、グループ持ち株会社のWBFホールディングス(同、同1千万円)は6月30日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。負債額は、旅行業者ではてるみくらぶを超える過去最大の倒産となった。新型コロナ関連でも最大の倒産。負債は2社合計で約351億円。6月30日には、星野リゾートがスポンサー就任に名乗り挙げ、ホワイト・ベアーファミリーなど3社を支援することを表明している。
ホワイト・ベアーファミリーは、1977年創業、81年5月に法人改組。「しろくまツアー」「ハッピーホリデー」の名称でインターネットを活用した旅行ツアーの企画を手掛けるなどグループ会社を次々に設立してWBFグループを形成。近年はインバウンド客を取り込み、2019年3月期には年売上高約207億4千万円を計上していた。
しかし、新型コロナウイルスの影響で渡航制限が出されたことで一部ホテルは休業を余儀なくされ、グループ全体で収益も急激に悪化。3月には金融機関に対して借入金の返済緩和を要請していたが、4月27日にグループ会社のWBFホテル&リゾーツが大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、グループ全体で経営立て直しを図っていたが、今回の措置となった。
負債は、ホワイト・ベアーファミリーが債権者約160人に対し約278億円、WBFホールディングスが債権者約20人に対し約73億円で、2社合計で約351億円。2社とWBFホテル&リゾーツの3社は、6月30日に星野リゾート(長野県軽井沢町)との間でスポンサー就任についての基本合意書を締結。今後、再建を進める。
なお、ホワイト・ベアーファミリーの旅行事業の旅行申込者に及ぼす影響はないとし、WBFリゾート沖縄、その他関係会社は法的手続きを取っておらず、従前通りの営業を続けている。