旅の文化賞にフォトジャーナリストの大石氏


 KNTの文化研究機関の「旅の文化研究所」(神崎宣武所長)は5日、東京・飯田橋のメトロポリタンエドモントで旅の文化研究フォーラムを開き、若手研究者による旅に関する研究発表などを行った。旅の文化に貢献した人を顕彰する「旅の文化賞」にはフォトジャーナリストの大石芳野氏を選出し、表彰した。

 大石芳野氏=写真左=は1944年生まれの64歳。日大藝術学部卒業後、ベトナムやカンボジアで戦争や内乱を経験した人々の姿を記録。土門拳賞など数々の賞を受けている。「世界各地を訪れ特に極限地域で生き抜いた女性や子供の姿をとらえ続けることで、平和や命の重さを訴え続けていることを評価した」(石森秀三選考委員長)。

 旅に関する研究の分野で優れた業績を挙げた40歳未満の研究者を顕彰する「旅の文化研究奨励賞」は、中山間地域の農村民俗伝承の実態をフィールドワークにより明らかにしたとして農村工学研究所主任研究員の山下裕作氏を選んだ。

 また移動や旅、観光にかかわる若手研究者を支援する「公募研究プロジェクト」には、岡本健氏(北海道大院)、工藤久貢氏(早稲田大院)、菅沼明正氏(慶應義塾大院)、皆川萌子氏(同志社大院)の4氏を採択した。

 フォーラムの冒頭あいさつした神崎所長は、「16回目を迎えられたのは、これまでかかわってくれた100人以上の研究者とKNTや近鉄の支援、参加者のおかげ」と謝意を述べたほか、公募研究に採択された若手研究者の3分の1が博士号を取っている事に触れ、「今回採択された方も飛躍してほしい」と激励した。

 フォーラムではこのほか、昨年に公募研究プロジェクトに採択された4氏による研究発表とシンポジウム「戦後の旅の大衆化〜修学旅行、新婚旅行、温泉旅行」を行った。

 このうちシンポジウムでは同研究所の山本志乃主任研究員ら4研究者らの発表とパネルディスカッションを実施。質疑では会場の参加者から自身の修学旅行や新婚旅行の経験談などが出され、パネリストが貴重な証言に聞き入る姿も見られた。

 
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