新潟・山形沖地震、宿泊キャンセル続出 旅館・ホテルはほぼ通常営業


あつみ温泉

 6月18日午後10時22分、山形県沖を震源とする最大震度6強の地震(令和元年新潟・山形沖地震)が発生した。震源地から約40キロの新潟県村上市の瀬波温泉は旅館・ホテルに大きな被害はないものの、宿泊キャンセルが続出。山形県鶴岡市のあつみ温泉は温泉供給が一時止まり、旅館・ホテルが休業を余儀なくされたが、順次営業を再開。7月1日までに全ての旅館・ホテルが営業を再開する予定だ。

 震度4を記録した瀬波温泉では、同温泉旅館協同組合加盟の12軒が全て通常営業している。ただ、地震によりキャンセルが続出。「夕映えの宿 汐美荘」は22日時点で千人近いキャンセルがあり、損害はおよそ1300万円に上る。

 「地震直後からキャンセルの対応に追われた」と同館の福田修常務総支配人。海開きを7月15日に控え、これから本格的な観光シーズンを迎えるが、「新規の予約も少なく、先が心配だ」と表情を曇らせる。

 同温泉の観光案内センターの職員は、「今日(22日・土曜日)は全ての旅館・ホテルが満館と聞いていたが、半分ぐらいがキャンセルになったようだ」と話す。

 今回の地震で被害が最も大きかったのは震度6強を記録した村上市の府屋地区。同地区は旧山北(さんぽく)町に位置し、2008年に1市2町2村が合併、村上市に編入された。JR村上駅前の観光案内所職員は被災者に配慮しつつ、「被害が大きかったのは旧山北町で、同じ村上市でも瀬波温泉はそこから30キロ以上離れており、被害もほとんどなかった。市外の人は村上全体が大きな被害を受けたと思っているようだ」と話す。

 汐美荘の福田さんは「テレビで『余震に注意』と呼び掛けが続く限り、キャンセルが続くのでは」、観光案内センターの職員は「早く『安全宣言』を出してほしい」と対策を要望している。

   ◇   ◇

 震度5強を記録した鶴岡市のあつみ温泉は、集中管理している温泉の配湯管が破損し、地震の発生直後から温泉の供給を停止。翌日から同温泉旅館組合加盟の7軒が営業できなくなった。瓦や看板が落ちるなど建物の被害も見られたが、21日に1軒(瀧の屋)、22日に2軒(東屋旅館、あつみホテル温海荘)が営業を再開し、7月1日には残りの4軒全て(かしわや旅館、高見屋別邸久遠、たちばなや、萬国屋)が再開する予定だ。

 止まっていた温泉の供給は20日夕方に再開。旅館・ホテルほか、3軒の共同浴場、3カ所の足湯にも供給されている。

 同温泉の土産店店員は「地震では店の品物が倒れた程度で建物への被害はなかった。早くお客さまに戻ってきていただきたい」と話す。


瀬波温泉


あつみ温泉

 
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