新年ごあいさつ 国際観光日本レストラン協会会長 安田眞一


安田会長

日本の食文化発信の好機

 新年明けましておめでとうございます。あっという間に新年を迎えましたが、コロナ禍でレストラン業界・観光業界は、2年間散々な目にあってまいりました。ワクチンの2回目接種者比率も約79%となり、感染者数が激減して、コロナも終盤かと思われておりました。しかし新顔のオミクロン株の英国での感染者が1日に7万8千人というような報道を聞きますと、重症化率は低いといっても、その感染スピードの速さに驚きを隠せません。いよいよ第6波か?と日本でのまん延が待ち遠しいようなマスコミ報道が目立ちます。マスクはまだまだ離せない、心配の尽きない今日この頃でございます。

 最近の繁華街の人出を見ておりますと、今まで、たまりにたまっていた人恋しさが一気に爆発したようで、食事会や飲み会も開かれ始め、夜の町のにぎわいも“今のうち感”で一杯でございます。

 先日、2年ぶりにあるグルメの食事会に出席してまいりました。幸いなことに服部幸應先生とご一緒のお席でしたので、先生に「ここのお店は、素晴らしいですネ、食材や調理方法にもいろいろ工夫をして、いつも新しい挑戦をなさっていらっしゃる。盛り付けもインスタ映えして、きれいですネ」と申し上げたところ、「だから駄目なんだよ。奇をてらって余計なことするからまずくなる」とおっしゃいました。健康を気遣って、料理を残していらっしゃるのかなと思っておりましたが、全く別で、最後のフロマージュやデザートのお皿はきれいに平らげ、先生が「おいしいものは食べるんだよ!」とそーっとささやかれました。

 新年を迎え、昆布とかつお節でしっかりおだしをとったお雑煮のおいしさは、日本に生まれて良かったと思う瞬間です。日本人にとってのソウルフードと言えましょう。

 観光庁と奈良県のご尽力で、今年6月13日から15日までの3日間、UNWTO国連世界観光機関の主催による「第7回ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」が奈良県で開催されることになりました。日本ではまだ耳慣れないガストロノミーツーリズムは、その土地の気候風土が生んだ食材や習慣、伝統や歴史などにより育まれた食を楽しみ、食文化に触れ、地域の伝統や多様性をサポートし、持続可能な観光の実現等を目的としているそうです。第1回目は2015年スペインのサンセバスチャンで、昨年はベルギーのブルージュで開催されました。そして、光栄なことに、今年は日本での開催です。世界中のグルメに日本の食文化をアピールする最高のチャンスです。大いに盛り上げてまいりたいものでございます。

 コロナ禍のレストラン業界や観光業界を元気付けようと、11月にサントリーさんが素晴らしメッセージ広告をおやりになりました。「人生には飲食店がいる」「たいていのトラブルは『よし飲みに行こう!』で解決できる」等々、心に刺さる、飲食店の経営者が泣いて喜ぶメッセージばかりです。「人生にはレストランがいる。バーがいる」「人生には旅がいる。温泉もいる」でございます。なぜか日本では、まだオミクロン株の感染が低く抑えられ、日本だけがなぜ?とファクターXの存在が取り沙汰されています。この際、ファクターXさんに頑張ってもらい、「わたし、感染しないから!」といきたいものでございます。

 皆さまにとって2022年が実り多き良い1年となりますよう、心よりご祈念申し上げます。

安田会長

 
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