政府が観光立国行動計画決定、東南アジアのビザ免除推進へ


 安倍晋三首相が主宰する観光立国推進閣僚会議は17日、政府の観光施策の行動計画「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」を決定した。昨年6月に策定したアクション・プログラムを改定したもの。2020年に向け、訪日外国人旅行者数2千万人を目指し、インバウンドの各種施策を推進する。具体的施策には、インドネシア、フィリピン、ベトナムに対する査証(ビザ)の実質的な免除の早期実現などを盛り込んだ。

 施策の柱に6テーマを掲げた。▽インバウンドの飛躍的拡大に向けた取り組み▽ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化▽外国人旅行者の受け入れ環境整備▽MICEの誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り込み—の4テーマは改定前と同様だが、新たに▽世界に通用する魅力ある観光地域づくり▽2020年オリンピック・パラリンピックを見据えた観光振興—の2テーマを加えた。

 訪日プロモーションを拡大する市場には、中国、東南アジアを挙げた。中国は北京、上海、広東の3大都市圏に加え、今後の成長が見込める沿岸部、内陸部への施策を強化する。東南アジアには集中的に施策を展開。このほかインド、ロシアなどの市場を開拓する。

 ビザの要件緩和では、昨年7月にタイ、マレーシアの免除を実施したのに続き、インドネシアに対し在外公館へのIC旅券事前登録を条件にビザを免除する。フィリピン、ベトナムに対しては、指定旅行会社を経由する観光目的の訪日に関してビザを免除する制度を設けるほか、数次ビザの要件緩和を行う。実施時期は「相手国の協力を得つつ、可能な限り早急に」と明記した。また、今夏までに、インド向けに数次ビザの発給を開始する。

 受け入れ環境の整備では、観光情報の提供に関する多言語化などのほか、貸切バスに関して訪日旅行の需要に対応するため、制度の柔軟な運用により十分な供給を確保することを盛り込んだ。免税店に関しては、全品目が免税となる制度の10月開始を踏まえ、地方を含めて現状の約2倍、1万店規模に増やす目標を掲げた。

 観光地域づくりでは、国内外の観光客を呼び込むため、地域間の広域連携を促進し、海外には広域周遊ルートの情報を発信する。地域資源の活用では、史跡、伝統芸能などの有形、無形の文化財を「日本遺産」に認定し、国内外にPRする。

 オリンピック・パラリンピックを見据えた観光施策では、出入国管理や交通アクセス、LCC(格安航空会社)就航への対応などを含めて空港機能を強化するほか、交通機関などのバリアフリーの環境整備を推進することを掲げた。

 アクション・プログラムに関しては、施策の進ちょく状況を点検、評価しながら、毎年、内容を見直し、「政府一丸、官民一体」となって施策を推進するとしている。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒