政府、アイヌ文化伝える「民族共生象徴空間・ウポポイ」の開業を5月29日に延期


開業を待つ中核施設の国立アイヌ民族博物館

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月24日に予定していた「民族共生象徴空間・ウポポイ」(北海道白老町)の開業を5月29日に延期することを決定し、このほど正式に発表した。菅義偉官房長官らが出席して4月18日に開催する予定だった開園記念式典も5月23日に延期となった。

 ウポポイは、アイヌ民族の歴史・文化に対する理解を深める拠点として、国が2017年から同町ポロト湖畔10.6ヘクタールの敷地に総工費約200億円をかけて整備。

 中核施設の国立アイヌ民族博物館をはじめ、アイヌ文化の体験交流ホール、体験学習館、工房、コタン(集落)などの施設が完成し、収蔵資料の展示や文化体験メニューの準備も順調に進んでいる。

 ウポポイは、年間来場者100万人を目標としており、地域の活性化や観光振興に対する期待が大きい。

 道や白老町では、引き続き全国の状況を注視しながら、関係機関と連携して5月開業に向けた情報発信などの取り組みに力を入れたいとしている。

 また、ウポポイの運営主体となるアイヌ民族文化財団も、「来場者の皆さんが安心して楽しんでもらえるよう、ウイルス対策にも万全の準備をしていきたい」と話している。

 赤羽一嘉国土交通相は7日の閣議後の記者会見で、ウポポイの開業が延期となったことについて触れ、「新たな開業日までの間を『攻めの準備期間』と位置付け、ウポポイのさらなる認知度の向上、また、新たな開業に関する情報発信など、本格開業後の来場を一段と加速する取り組みをしっかり進めていく」と強調した。

開業を待つ中核施設の国立アイヌ民族博物館

 
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