京都府と京都府観光連盟でつくる「川の京都推進協議会」は6日、京都リサーチパーク(京都市)でシンポジウム「川を活用した新たなツーリズムの可能性」を開いた。府議や観光関係者、河川関連事業者ら約150人が参加。京都府市内の河川利用の歴史や役割の変遷に関する基調講演のほか、舟運や鵜飼、アドベンチャーツーリズムなどの関係者による取り組み状況の発表を行い、広域観光連携の可能性などを探った。
冒頭、主催者を代表して西脇隆俊知事があいさつ。「景観美はもちろん、地域の歴史や文化を育んでいる『川』をテーマに周遊観光につなげていこうという『川の京都』のキックオフの会だ」と趣旨を説明。
その上で、大阪・関西万博に向けて、広域かつ多数の連携により取り組む「フラッグシップアクション」の一つとして川巡りを位置付けていることを紹介。「京都と万博会場を一気通貫で結ぶ『淀川舟運』の復活なども活用に向け取り組んでいる。京都、そして関西をつないできた『川』を新たな観光資源として磨き上げていきたいので、ぜひ協力をお願いしたい」と呼びかけた。
京都産業大の鈴木康久・現代社会学部教授が「川の京都の可能性」をテーマに基調講演。鈴木教授は、京都での木材の運搬の様子や閘門(こうもん)が立ち並ぶ風景などを写したフランスの古い絵葉書などの資料を多数示しながら、京都の川の役割の変遷や、京都を中心に大阪、奈良を含む地域での水運の果たした役割などを説明。単一のモノを運搬することに大きな役割があったかつての舟運とは違い、船を使って人を運ぶ場合にはいかにして付加価値を付けて経済を回すかが重要になると解説した。
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