小田急箱根ホールディングス、箱根地区に100億投資 新型海賊船建造や早雲山駅改築など


投資を発表する五十嵐社長

 小田急電鉄の子会社で、箱根エリアの事業会社10社を統括する小田急箱根ホールディングス(五十嵐秀社長)は1日、2020年までに箱根地区に総額100億円の大型投資を行うと発表した。乗り物の新造や駅舎改良などを実施する。「もっと乗りたくなる箱根」「もっとまわりたくなる箱根」「もっとわかりやすい箱根」を目指し、国際観光地「箱根」の競争力を強化する。

 箱根観光船(岡本裕之社長)は、12億5千万円で「新型海賊船」を建造する。デザインは豪華列車「ななつ星in九州」などで知られる水戸岡鋭治氏が担当。19年4月の就航を予定する。

 箱根ロープウェイ(鞠子篤也社長)は、15億5千万円でスイスCWA社製の新型ゴンドラ20台を導入する。21年4月の営業開始を予定している。また3億3千万円で大涌谷駅舎内に、旅客滞在スペースの確保や防災備蓄品の配備など火山防災を目的とした待合室を設置する。今年12月の使用開始を予定する。

 箱根登山鉄道(府川光夫社長)は、最新車両アレグラ号4両を12億9千万円で追加導入する。19年5月に2両、20年に2両の営業開始を予定。8億円で現行車両4両の更新、7億8千万円で箱根登山ケーブルカーの内外装リニューアルと設備更新も実施する。

 箱根登山ケーブルカーから箱根ロープウェイへの乗換駅「早雲山」の駅舎は、24億1千万円で改築、改修する。両駅を一体化して、バリアフリー対応を強化するほか、明星ヶ岳や相模湾を一望する足湯テラスを設置する。20年春の営業開始を予定する。

 箱根登山鉄道の「箱根板橋駅」「入生田駅」「大平台駅」「小涌谷駅」の4駅などには、3億9千万円を投じて、老朽化更新と耐震強化を目的とした駅舎の改築と多目的トイレの新設を行う。また、1億円で箱根強羅公園体験工芸館「箱根クラフトハウス」をリニューアルする。「ポタリーペインティング体験」「切子体験」の施設を新設するほか、ガラス・陶芸作家の創出したガラスアートや器などの作品を取り扱う雑貨セレクトショップを開業する。

 箱根登山バス(中丸富夫社長)は、11億6千万円で路線バス車両50台の増車と更新を行う。大型車両にスーツケースなどを置けるラゲージスペースを設置する。また、GPSなどを通じてバスの位置情報をスマートフォンに配信する「バスロケーションシステム」を19年3月に導入。日本語、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語で運用する。さらに、1千万円で箱根キャリーサービス運搬車両を増強する。同サービスは05年に開始した手荷物配送サービスで、420軒以上の提携ホテル・旅館へ年間10万個以上の荷物を配送している。

 小田急箱根ホールディングスでは、インバウンド客に分かりやすく観光情報を提供するため、ウェブサイト、多言語パンフレットを強化する。19年3月をめどに、観光ポータルサイト「箱根ナビ」外国語版をリニューアルするほか、各種多言語パンフレットを拡充する。
  

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