宿泊業の倒産急増 コロナ影響が約半数


今年上半期 昨年合計を上回る

 新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊業の倒産が急増している。帝国データバンクによると、今年上半期(1~6月)の旅館・ホテル、簡易宿所、下宿業などの倒産(負債1千万円以上の法的整理)は80件で、昨年1年間の件数(72件)を既に上回っている。このうち新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は約半数。同社は「新型コロナウイルスの影響が長期化すると、廃業や倒産を余儀なくされる宿泊関連業者が今後も増えるなど、厳しい状況が続くだろう」とみている。

 80件の倒産のうち、旅館・ホテルが73件、簡易宿所が6件、下宿業が1件。昨年1年間は旅館・ホテルが66件、簡易宿所が1件、下宿業は発生がなかった。それぞれ今年上半期の段階で昨年1年間の数字を上回っている。昨年発生した「会社・団体の宿泊所」(2件)、「他に分類されない宿泊所」(3件)の倒産は、今年は現段階で発生していない。

 80件のうち、新型コロナウイルスの影響を受けた企業は37件で、全体の46.3%と約半数を占める。「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で予約キャンセルが相次ぎ、経営が立ち行かなくなったケースが目立つ」(帝国データバンク)。また「事業再建に向けてM&Aやスポンサー支援を模索するも、インバウンド需要の減退から支援を得られず、倒産した事例も多い」(同)。

 負債総額は568億6400万円。昨年1年間の数字(1254億6800万円)は下回るものの、2018年(362億9500万円)、17年(513億7100万円)の年間数字を上回るなど、高水準にある。

 負債額の多い大型倒産は、WBFホテル&リゾーツ(大阪府、民事再生法、負債約160億円)、ロイヤルオークリゾート(滋賀県、破産、同50億円)、ホテル一萬里(長野県、破産、同35億2千万円)など。大型倒産上位10件のうち、7件が新型コロナウイルス関連倒産となっている。

 簡易宿所では、デザイナーズカプセルホテルを運営するファーストキャビン(東京都、破産、負債約11億3千万円)の倒産もあり、00年以降0~2件だった年間の倒産件数が現段階で6件と、大きく増えている。

 倒産件数を負債額別にみると、「1億円~5億円未満」が27件と最も多い。次に多いのは「5千万円未満」で19件。「100億円以上」「50億円~100億円未満」の大型倒産はそれぞれ1件となっている。

 
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