東京商工リサーチによると、今年上半期(1~6月)の宿泊業の倒産(負債1千万円以上、法的倒産と私的倒産を含む)は38件で、前年同期比19.1%減少した。上半期では2015年(38件)以来、3年ぶりに40件を割り込んだ。負債総額は122億7600万円で、同48.2%減少。上半期では17年(236億8900万円)を下回り、この20年で最少を記録した。
地区別では中部が17件、同54.5%増と唯一増加した。長野県が9件、同80.0%増と全体を押し上げた。北海道は発生がなく、近畿が1件(同66.6%減)、九州が3件(同57.1%減)と大きく減少した。
東日本大震災関連倒産は、直接で1件、間接で1件の合計2件発生した。
原因別では「販売不振」が19件、同38.7%減。倒産全体に占める割合は50.0%。次いで「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が13件、同7.1%減。「他社倒産の余波」「事業上の失敗」「設備投資過大」が各2件だった。
宿泊業について同社は「訪日外国人数の記録更新が続き、インバウンド需要をにらんだ宿泊施設の建設ラッシュに沸く地域がある一方、恩恵にあずかれない地域や新規投資が難しい小規模事業者は厳しい状況が続いている」と指摘している。
6月単月の倒産は6件、負債総額は43億3千万円だった。
件数は前年同月比40.0%減少、前月比20.0%増加。額は前年同月比102.3%、前月比213.3%それぞれ増加した。