観光庁がこのほど発表した宿泊旅行統計調査で、2020年8月の全国における宿泊施設の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、新型コロナウイルスの影響で前年同月比58.6%減の2615万人泊となった。都道府県別では、大阪府が同78.8%減の96万8千人泊で、減少率が全国で最大だった。次いで東京都が同76.1%減の168万6千人泊と下げ幅が大きかった。
延べ宿泊者数の内訳は、日本人が前年同月比51.8%減の2593万人泊、外国人が同97.7%減の22万人泊だった。政府のGo Toトラベル事業が7月22日に始まるなど、人の移動に回復が見られたが、8月には東京都など一部の地域で感染の再拡大が見られ、お盆などの旅行に影響が出た。
延べ宿泊者数全体を都道府県別に見ると、前年同月比の減少率が大きいのは、大阪府、東京都に続き、沖縄県75.9%減85万人泊▽京都府69.0%減84万1千人泊▽福岡県67.2%減61万5千人泊▽山梨県65.8%減45万2千人泊▽長野県61.3%減103万8千人泊―など。
前年同月比の減少率が小さい都道府県は、高知県31.9%減23万7千人泊▽福島県34.2%減87万6千人泊▽島根県38.1%減23万5千人泊▽山口県38.2%減24万2千人泊▽和歌山県39.8%減41万3千人泊―などだった。
また、20年8月の全国の宿泊施設における客室稼働率(第2次速報値)は、前年同月比37.5ポイント減の31.9%だった。施設タイプ別ではシティホテルの稼働率の低迷が目立ち、都道府県別では東京都の稼働率が最低だった。
施設タイプ別では、ビジネスホテル42.4ポイント減37.2%▽リゾートホテル37.2ポイント減33.7%▽旅館21.5ポイント減28.9%(旅館のうち従業者数10人以上の施設25.9ポイント減39.7%)▽シティホテル54.8ポイント減28.2%▽簡易宿所27.2ポイント減17.8%。
都道府県別で客室稼働率が低いのは、東京都57.7ポイント減21.1%▽大阪府62.7ポイント減21.2%▽京都府45.6ポイント減21.2%▽沖縄県48.7ポイント減21.8%▽奈良県25.4ポイント減24.6%▽福岡県48.2ポイント減25.2%▽長野県29.7ポイント減26.3%―などだった。