日本政策金融公庫が行った生活衛生関係営業のインバウンド対応に関する調査では、外国人観光客の集客に向けた具体的取り組み事例を紹介している。ホテル・旅館の主な事例は次の通り。
「国内の旅行会社との提携により、冬はスキー、グリーンシーズンは近くのゴルフ場により集客するなど、滞在型の宿泊につながっている」(青森県)。
「ホームページを多言語化した際、画像を多めにして見た目で分かりやすいサイトにした。また、プランは簡単に選びやすく設定している。その結果、旅館の敷居を低くすることにつながり、気軽に予約を入れてもらえている。利用の際には、英語での案内はもちろん、献立、客室内のご案内も英語でご用意し、CS(顧客満足)、CD(顧客感動)を得ている」(宮城県)。
「ホームページを、中国語(繁体、簡体)、英語、韓国語で作成した。インバウンドは、点ではなく面で対応を行う必要があるため、伊香保温泉全体での取り組みを強化している」(群馬県)。
「外国人観光客は個人客に限定している。Wi―Fiを完備(全ての客室で使用可)しており、喜ばれている。また、Wi―Fiを使ったコミュニケーションアプリも充実しており、ほとんどすべての国の方々と意思疎通が行えている」(山梨県)。
「数カ国語の館内案内を作成したことにより、従業員の拒否反応が少なくなったように思える」(長野県)。
「社員の英語教育を行ったことで、外国人に対する言葉の壁が少なくなり、より親しみやすいコミュニケーションを取ることができるようになった。また、周辺マップの英語版を差し上げると喜ばれた。なお、Wi―Fiについては必ず問い合わせがあるので、分かりやすいインフォメーションが必要だと思う」(静岡県)。
「外国の修学旅行客の受け入れが多い当館では、夕食は懐石料理、アメニティーには浴衣、はんてんも用意し、日本文化を楽しんでいただけるようにしている」(滋賀県)。
「外国人客は、外国語に翻訳された予約サイトを経由して来られるので、こういったサイトに登録しておかないと利用は見込めない」(鳥取県)。
「数多くある情報の中から当館を選んでいただくのに最も効果的なのは、外資系OTAと連携し、直接宿泊予約まで導く仕組みの構築である。また、伏線として各種情報サイトや情報誌に掲載し、宣伝していくことが効果的である。なお、館内でWi―Fi通信ができることは、当然必要である」(島根県)。
「地域の異業種の経営者からの紹介で来店される方が多く、日頃から異業種の方へ外国人用のメニューの提案、説明をしている。外国人メニューは、商工会を通して作成していただき、助かっている」(福岡県)。