
JTBが発表した夏休み(7月15日〜8月31日)の宿泊旅行動向の見通しによると、国内旅行者数は東日本大震災の影響で前年同期比2.7%減の7230万人。徐々に消費者の旅行意欲は高まりつつあり、東日本発の予約はやや出遅れているが、西日本発は堅調。東日本では節電対策を考えた休暇スケジュールも定まって、7月以降に予約の申し込みも急速に増加する見込み。
節電対策で冷房を控える生活が続くなか、涼しい観光地や温泉地でゆっくりしたいという意向が強い。首都圏からは軽井沢や蓼科など信州の観光地、立山・黒部アルペンルートが人気だ。
テーマパークでは、10周年を迎える大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンが増加する見込み。大河ドラマの影響で滋賀県長浜地区も好調。全線開通の九州新幹線を利用した九州方面への旅行も熊本、鹿児島を中心に人気。沖縄のビーチリゾートへの旅行者も多い。復興応援の気持ちも高まり、東北旅行への注目も高まっている。
出発ピークは8月13、14の見込み。7月30日も多い。
海外旅行も含めた全体の平均宿泊日数は、2.32泊で、前年より0.15泊上回っている。全体ではまだ少ないものの、今夏を機に長期滞在の旅行スタイルが一般に認知されつつあるという。
旅行目的では帰省や家族や友人との親睦をあげる人が増加。「震災を契機に家族との親睦、絆を深める気持ちが再認識されている」(JTB)。
海外旅行は5.8%減の228万人になる見込み。近場の韓国、台湾を中心にアジア方面が人気となっている。
