
贈呈式に出席した池田会長(中央右)、近浪社長(同左)ら
昨年7月に京都で開かれた国際会議、国際血栓止血学会(ISTH2011)が、国際会議運営専門会社でつくる世界最大の国際団体IAPCO(本部=スイス・チューリッヒ)の年間賞を受賞した。優れた国際会議の主催者などに贈られる賞で、日本からの受賞は初めて。東日本大震災の発生で開催が危ぶまれる中、海外約80カ国から4千人、国内から2千人の参加者を集めて成功させた運営が評価された。
今月9日、IAPCOの加盟会社で、ISTHの運営を支援した日本コンベンションサービスの本社(東京都千代田区)で表彰状などの贈呈式が行われた。ISTHの日本組織委員会の池田康夫会長(早稲田大学教授)が主催者を代表して出席した。
ISTHは、震災の発生によって多くの国際会議が中止、延期となる中、第三者機関であるリスク調査会社の分析などをもとに予定通りの開催を決定。出席予定者に原発事故に伴う放射能のデータなどを随時発信するなどして参加に理解を得た。
贈呈式で池田会長は「震災から間もないあの時期に日本で国際会議を開催し、参加者に日本は安全というメッセージを持ち帰ってもらうことに意義があると考えていた。観光庁をはじめ関係機関の協力も得られ、おもてなしと安全に心を配り、無事に開催することができた」と語った。
贈呈式には日本コンベンションサービスの近浪弘武社長のほか、観光庁の溝畑宏長官、日本政府観光局(JNTO)の松山良一理事長が出席。出席者は、ISTHの成功が世界に広がった風評被害の払しょくにつながり、国際会議運営の関係者を勇気付けたと功績を称えた。

贈呈式に出席した池田会長(中央右)、近浪社長(同左)ら