18年、前年比2桁の増加
環境省によると、2018年の国立公園(34カ所)の訪日外国人利用者は推計で約694万人となり、前年比15.7%増えた。また、アンケート調査では、外国人旅行者は国立公園滞在について「大変満足」しており、宿泊日数が伸びる傾向にあることが分かった。
利用者数は、訪日外国人の消費動向を調べた観光庁のデータなどをもとに推計。同省は外国人の国立公園利用者について、2020年に1千万人にする「国立公園満喫プロジェクト」を3年前から進めているが、「開始以来、最大の伸び率となった」(国立公園課)という。
北海道地域(利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺)は胆振東部地震があったにも関わらず、同19.5%増の約130万人が訪れた。最も人数が多かったのは富士箱根伊豆の299万1千人、次いで支笏洞爺の107万人、阿蘇くじゅうの103万人だった。
一方で、近畿、中四国、九州北部など一部の公園では減少。特に、足摺宇和海や奄美群島、南アルプスなどは減少幅が大きくなっている。
アンケート調査は、昨年5月から今年2月の間、プロジェクトの対象となっている8公園と、8公園に準ずる3公園(支笏洞爺、富士箱根伊豆、中部山岳)を訪れた外国人に満足度や旅行消費額、宿泊日数などを聞いた。約3800人から回答を得た。
滞在全体の満足度は、7段階で最も高い「大変満足」の割合が48.5%となった。一方、「やや不満」「不満」といった不満寄りの割合は3.6%に過ぎず、全体的に満足度は向上している。「全般的に自然景観に対する評価が高く、多言語対応、交通、土産、食事などが低い傾向にある」という。
国立公園内での旅行消費額は平均6万6496円。内訳は宿泊費が2万5955円、買い物費1万2316円、飲食費1万1241円となっている。また、宿泊日数は国立公園内で1.9泊、周辺地域を含めて4.5日だった。