国内観光から反転攻勢 1.4兆円規模キャンペーン、コロナ終息見極めて開始

  • 2020年4月29日

観光庁 田端長官

宿泊業支援、地域魅力向上も

 
 観光庁の田端浩長官は15日、専門紙向けの会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、政府がまとめた緊急経済対策、補正予算案を踏まえた観光分野の対応策を説明した。まずは観光業の雇用の維持、事業の継続などを支援し、国内での感染終息後には、1兆円超の予算を投じる予定の「Go To Travelキャンペーン」で国内観光の需要を喚起する方針だ。キャンペーンの開始時期は未定だが、事業執行の準備を整え、医療専門家の判断などを基に実施のタイミングを見極める考えを示した。

■事業継続と雇用維持

 田端長官は「世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大で、訪日旅行者は国を問わず大幅に減少し、国内旅行においてもキャンセルや予約控えが生じており、地域経済は極めて厳しい状況にある。現下の状況で最も大事なのは雇用の維持と事業の継続だ」と述べた。

 政府が閣議決定した緊急経済対策に基づき、次の施策を業種横断的に推進すると説明した。

 ▽雇用調整助成金=助成率を最大9割まで引き上げるほか、助成の対象を非正規雇用労働者に広げる

 ▽無利子・無担保融資=地銀などの民間金融機関でも実施するほか、既往債務の借り換えで負担を軽減する

 ▽現金給付=中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主のための給付金制度を創設する

 ▽公租公課=法人税、所得税などの支払い猶予と延滞税の減免、中小企業に対する固定資産税などの減免を実施する

■国内観光の回復

 国内で感染症が落ち着いた後には、「地域経済を一刻も早く立て直していくことが求められる。観光業は裾野が広く、地域経済全体に影響が及ぶ。今回はその影響が全国で長期にわたり続くことから、かつてない規模で観光需要喚起策を実施することが重要だ。間髪入れずに反転攻勢に転じるため、『Go To Travelキャンペーン』と銘打ち、観光による大規模な地域活性化策を講じていく」。

 国内観光の需要喚起に向けたGo To Travelキャンペーンは、全国を対象に約6カ月にわたって消費者の宿泊費などの旅行費用を国費で補助する事業。予算額は観光予算として前例のない規模で、2020年度補正予算案には約1.4兆円が計上されている。

 「宿泊・日帰り旅行商品の割引と、地場の土産物店、飲食店、観光施設、アクティビティ、交通機関などで幅広く使用できるクーポンの発行をセットで行う。これは地域での消費を促すために導入した初めての仕組み。長期旅行も楽しんでいただけるようにするため、日数の上限をあえて設けず、(補助額は)1人1泊当たり2万円という上限を設定している」。

 国会での補正予算の成立とともに、キャンペーン事業の執行態勢を早期に整え、いつでも開始できるよう準備する。「今は緊急事態宣言が出ている。環境が整わないと、安心して旅行に行けない。医療の専門家などの判断をしっかり踏まえてタイミングを見極めた上で、V字回復に向け、効果的に一気呵成(かせい)に進める」。
 
■基盤整備と訪日復興

 Go To Travelキャンペーンは、新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ観光需要の回復が目的だが、今後の地域の持続的な観光振興にもつながるよう、キャンペーンを利用した旅行者の満足度を高めるなど、リピーター獲得の契機にもしていく。

 「このため、今、旅館・ホテル業は大変厳しい環境にあるが、宿泊施設の改修、従業員の能力向上に取り組む意欲的な事業者を積極的に支援する。具体的には、宿泊施設の改修プランを作成し申請手続きを補助するアドバイザーの派遣や従業員の語学研修を行う通訳案内士の派遣などを行う。また、各地の観光資源やイベントを集客力の高い滞在コンテンツに磨き上げることも支援する」。

 補正予算案にはGo To Travelキャンペーンの事業費のほか、観光庁予算として、観光資源やイベントなどの高付加価値化や誘客の多角化を促進する魅力的な滞在コンテンツ造成事業に102億円、事業者や自治体に補助金を交付する訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業に52億円を計上している。

 観光事業者や観光地域の基盤整備、国内観光の需要喚起の次には、インバウンドの需要回復が課題となる。訪日外国人の旅行者数4千万人、その旅行消費額8兆円などの目標を見据え、国の成長戦略の柱、地方創生の切り札として掲げた「観光先進国」の実現に向けた反転攻勢が不可欠だ。

 「世界的な事態の終息後のことになるが、再び外国人旅行者、インバウンドの拡大に向けて取り組むことは、新たな消費や雇用など地域経済に非常に意義あることなので、JNTOによるプロモーションなどをしっかりと進めていく」。
      

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