国土交通省は1月20日、市内のバリアフリー(BF)化に長期的に取り組んでいる岐阜県高山市など、国土交通分野でBF化の推進に努めた4事業者・団体を表彰した。昨年に続き2回目。同省では今後も継続的にBF化に取り組む事業者らを表彰することで、BF化の優れた取り組みを広く普及、奨励したい考えだ。
今回「BF化推進功労者大臣表彰」を受けたのは、箱根ロープウエイ▽岐阜県高山市▽障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議▽オキナワマリオット&リゾート&スパ──の4事業者・団体。
高橋儀平・東洋大学ライフデザイン学部教授らでつくる選考委員会が、37件の候補案件から表彰対象を決めた。特に今回は前回よりも「国のBF基準を超えた自発的なBF化や、継続性、独自性などを評価した」(選考委員の秋山哲男・首都大学東京教授)。
例えば96年からBFに関するモニターツアーを実施し障害者や外国人も住みよい街づくりを行っている高山市は、国のBF基準よりも厳しい基準を条例で定め、道路や多目的公衆トイレの整備を行っている。またBFの発展形である「ユニバーサルデザイン」を取り入れた施設整備やサービス提供を行う事業者を独自に認定するなどして、地域のBFへの意識高揚を図っている。
またオキナワマリオットは、ホテル全館をBF新法の基準に適合するようにしたほか、361室のうち36室をユニバーサルルームとして整備したり、社員への介助トレーニングを定期的に行なったりしている。
表彰を受けた事業者らのうち高山市の土野守市長は、「これまでの取り組みが評価され光栄だ。今後も昔ながらの町並みを大切にしながらBFの街づくりを進め、福祉観光都市として発展していきたい」とさらなるBFへの取り組みに意欲を見せた。
賞状を手にする受賞者たち