
アイヌ民族博物館で説明を受ける赤羽国交相(右から2人目)
赤羽一嘉国土交通相は4日、北海道白老町に12日開業するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を視察した。
ウポポイでは、日本旅行業協会(坂巻伸昭会長)と全国旅行業協会(二階俊博会長)が開催した北海道観光セミナーに来賓として出席。赤羽国交相は、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な影響を受けている観光産業の復興に政府を挙げて全力で対策を講じていることを説明すると共に、ウポポイの見学を取り入れた旅行商品の積極的な造成などを呼び掛けた。
同セミナーには、両協会の会員41社、約70人のほか、鈴木直道・北海道知事や大高豪太・北海道運輸局長、後藤貞二・北海道開発局長、戸田安彦・白老町長ら地元関係者約30人も参加した。
同セミナーの後、鈴木知事と中核施設の国立アイヌ民族博物館などを見学。「アイヌ文化の理解を通して共生社会の在り方を学ぶ素晴らしい施設なので、1人でも多くの皆さんに足を運んでいただきたい。ウポポイの開業がコロナの感染拡大で大打撃を受けた北海道の観光回復の起爆剤になると期待している」と述べた。
また、国の「Go Toキャンペーン」について「10日までには事務局を決定し、詳細を明らかにしたい。夏の需要期に使えるようにとの声も受けているので、速やかにスタートできるよう全力で対応したい」と話した。
赤羽国交相は3日に道内入りし、新千歳空港やJR札幌駅を視察。4日には鈴木知事との会談や交通・観光関係者との懇談会など行った後、白老町に移動してウポポイを視察。ただ、九州地方で発生した豪雨災害に対応するため、急きょ、視察日程を切り上げて帰京した。
ウポポイは、新型コロナウイルスの影響で4月の開業が延期されていたが、6月19日に都道府県をまたぐ移動自粛が解除されたのを受け、今月12日に開業することになった。
アイヌ民族博物館で説明を受ける赤羽国交相(右から2人目)