日本銀行は5日、地域の景気情勢をまとめた地域経済報告(さくらレポート)の今年7月分を公表した。全国9地域の景気情勢について、前回の今年4月の判断に比べてすべて上方修正した。全地域で上方修正するのは2009年10月以来、2年9カ月ぶり。需要項目別では、旅行関連需要でほとんどの地域が「持ち直し」とした。
各地の景気情勢を「緩やかに回復している」「持ち直している」など、前回の判断からすべて上方修正した。東北は「震災関連需要が一段と強まる中、様々な経済活動の水準が震災前を上回るなど、回復している」とした。
ただ、近畿は「持ち直しの動きもみられるが、なお足踏み状態にある」、中国は「持ち直しの動きもみられるが、なお横ばい圏内の動きとなっている」と、改善度合いには差が出ている。
需要項目別では、個人消費を7地域で「増加を続けている」「持ち直し」「堅調に推移している」などとした。
北陸は「底堅い動きとなっている」、北海道は「横ばい圏内で推移している」だった。
震災関連需要や自動車に対する需要刺激策の効果でおおむね改善傾向にある。このうち旅行関連需要は「旅行・観光需要も盛り上がりがみられる」(九州・沖縄)など、ほとんどの地域で「持ち直し」とした。
ホテル・旅館関連では、釧路、甲府、松本、京都、大阪、長崎、那覇の各日銀支店が「集客力を強化するため改装など宿泊施設の高付加価値化に向けた投資を積極的に行う先がみられる」と報告。また函館、鹿児島、松江、高松の各支店で観光施設の充実、大型ホテルの新築や改装などの投資がみられるとしている。