南会津4町村、原発事故の風評払拭へ東京で観光イベント


郷土芸能、大川渓流太鼓を披露した

郷土芸能、大川渓流太鼓を披露した

 福島県南会津地域の4町村(南会津町、下郷町、只見町、檜枝岐村)は11月23、24の両日、東京都台東区の浅草神社で観光物産イベント「がんばっぺ南会津フェア〜南会津に行こう 南会津を食べよう」を開いた。冬の観光シーズンを控え、同地域の安全と観光の魅力をアピールすることで、東電の原発事故による風評の払しょくを狙ったもの。多くの人が郷土芸能の披露などを楽しみ、南会津の魅力を体感した。

 南会津町と友好都市関係を結ぶ台東区や浅草観光連盟などの協力を受け、イベントが実現した。

 イベントでは4町村が境内にブースを設け、自慢の地酒や特産のトマトを使ったドレッシングなどの物産を販売したほか、スキー場などの情報を提供。各町村へのメッセージを書き込むボードも設置した。メーンステージでは「田島祇園祭屋台歌舞伎」「大川渓流太鼓」などの郷土芸能を披露した。

 フェアでは大宅宗吉・南会津町長が「南会津地方は原発事故による風評被害や7月の豪雨災害にさらされながらも元気にがんばっている。ぜひ一度、南会津の魅力を堪能しにきてほしい」、湯田雄二・下郷町長が「下郷は放射能の値が低いにもかかわらず、観光客の入り込み数は例年の6、7割程度までしか回復していない。2月には大内宿で雪まつりも始まるので、ぜひ足を運んでほしい」とそれぞれあいさつ。

 また吉住弘・台東区長が「南会津地方とは、旧田島町(現南会津町)と1986年に友好都市関係を結んで以来交流を深めてきた。今日は浅草で元気に風評をふっとばしてほしい」と応援メッセージを贈ったほか、青柳雅之・台東区議会議長が「浅草神社に集まっている信心深い皆さん、今日はぜひ財布のひもをゆるめて南会津の皆さんにたくさんの売り上げを持って帰ってもらいましょう」と呼びかけた。

 イベントではそばやコメ、野菜を4回に分け計1200人に無料配布。各回とも特産品を手にしようという人が長い行列を作るなど盛況だった。

誘客協力を相互確認 台東区と南会津
 東京都台東区と福島県南会津地方の南会津、下郷の各自治体首長らは23日、台東区内で意見交換会を開き、観光誘客での相互協力を一層進めることなどを確認した。

 台東区の浅草と南会津地域は、台東区と南会津町が友好都市関係を結んでいるだけでなく、東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道が運行する1本の鉄道路線でつながっていることなどから、これまでも連携を深めてきた。

 意見交換会には3首長のほか、玉井章・福島県南会津地方振興局長、丸山眞司・浅草商店連合会理事長、冨士滋美・浅草観光連盟会長らが出席。東日本大震災以降の観光入り込みの状況や復興支援活動、スキー場など冬の観光スポットの現状などについて情報交換を行った。

 このうち吉住区長は、毎年5月に実施の浅草神社例大祭(三社祭)などを生かした南会津の観光PRの可能性に触れ、可能な限り浅草神社などと連携しながら協力したいとの考えを示した。

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