北海道にアイヌ文化伝える施設


ウポポイ全体を俯瞰したイメージ図(HPから)

白老町に来年4月オープン 「ウポポイ」新名所への期待も

 来年4月24日、北海道白老町にアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」がオープンする。中核となる「国立アイヌ民族博物館」などの施設も年内にほぼ完成する見込み。運営に当たる公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市)による体験プログラムや展示の準備も進んでいる。北海道の新たな名所にと、関係者の期待も大きい。

 民族共生象徴空間の愛称・ウポポイはアイヌ語で「大勢で歌うこと」の意味。政府が全国から一般投票を受け付け、約1万票の投票結果の中から決まった。

 ウポポイは国が同町ポロト湖畔の敷地約10ヘクタールに約200億円を投じて整備する。年間来場者は100万人を目標に掲げている。

 アイヌ民族の歴史や文化を展示するアイヌ民族博物館は鉄骨造り3階建て、幅130メートル、奥行き40メートル、高さ20メートル、延べ床面積8600平方メートルの巨大な施設だ。500~600人収容できる体験交流ホールではアイヌ古式舞踏やムックリ演奏などが楽しめる。

 修学旅行など団体客を受け入れる体験学習館も備える。200人ほどが収容できる部屋が二つあり、木彫りや刺しゅうなど伝統工芸を体験できるという。

 また、ポロト湖東側の高台にはアイヌ民族の遺骨を保管する建物と慰霊施設、モニュメントを設置。アイヌの人々による尊厳ある慰霊を実現するための施設とされる。

 ウポポイは北海道の観光にとっても大きなインパクトを与えそうだ。ただ、現状では認知度不足は否めず、周辺整備と合わせ、情報発信が課題といえる。

 政府のアイヌ政策推進会議委員を務める石森秀三・北大観光学高等研究センター特別招聘(しょうへい)教授(北海道博物館館長)は、「インバウンドの隆盛化に伴って、世界から数多くの外国人ビジターの来訪が予想される。ウポポイにおいて、アイヌ文化の復興・創造が飛躍的に進展し、世界のさまざまなビジターが楽しく“歓交”できるならば北海道観光は新たなステージに入ることになる。そのためには、民産官学の協働によるウポポイの盛り立てが不可欠になる」と話す。

ウポポイ全体を俯瞰したイメージ図(HPから)

 
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