募集アイデアで廃業旅館再生 上田別所温泉 柏屋別荘


柏屋別荘(正面入り口)

歴史ある建物の利活用探る

 長野県上田市の別所温泉にある柏屋別荘は、江戸時代に上田藩の出屋敷、造り酒屋を経て、明治43年に湯宿として開業。上田電鉄別所温泉駅から徒歩13分と、温泉街の奥まった場所に位置する老舗旅館は木造4階建てで、中庭には樹齢100年43種2800株のツツジが咲く。創業時から、川端康成や有島武郎など、多くの文人、墨客に親しまれ続けていた。

 旅館は、2017年に廃業となっていたが、現在は柏屋別荘の前経営者の縁者である信田直昭氏が役員を務める東京都内の不動産事業会社が所有し、配管の修繕や畳の入れ替えなど、設備の復旧が行われている。信田氏は、廃業旅館となった建物の利活用を探る活動を展開。地元上田市の長野大学教職員有志や、上田地域への交流・移住者や若者らで作る組織「柏屋別荘の倶楽部」、東京のコンサルティング会社であるプランニングネットワークと協調検討が進められている。

 2022年7月には、柏屋別荘スモールMICE実行委員会を立ち上げ、柏屋別荘の新たな生かし方、再生に向けた事業モデルのアイデアの募集を7~9月に実施。長野大学の学生や地元事業者など全国から19件のアイデアが寄せられ、11月5日には選出された11件の表彰式や交流会が行われた。

 今回の取り組みは、観光庁の「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の一環として実施された。
表彰式では、選出された入賞者がアイデアを発表。長野大学環境ツーリズム学部熊谷ゼミAチームは、数多くの部屋を有する旅館の各部屋を商業施設のように貸し出す「オークWalk」、シアター&アーツうえだ(長野県上田市)の荒井洋文代表は「別所アート・センター~アーティスト・イン・レジデンス事業とゲストハウスの運営~」と題し、芸術家が旅館に長期滞在しながら作品を制作する場としての活用策を示した。

 このほか、入選者からは、上田市発祥の農民美術の一つ「こっぱ人形」を展示する「こっぱ人形ミュージアム」や、柏屋別荘でのフォトスポット・ブース制作、資料展示スペース、インドアキャンプ場としての活用、旅館や飲食店の仲介役を担う喫茶店の営業、昆虫食イベントの開催などのアイデアが紹介された。入賞者には表彰状などが授与された。

 アイデアの募集に参加した荒井氏は「別所温泉、柏屋別荘は首都圏からのアクセスも良く、まだまだ多くの可能性がある場所。本日発表された目新しい企画などをきっかけに、長野、上田の新たなにぎわいの拠点となれば」と話した。

 

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