出国税など新たな財源創出、11月に中間報告へ~観光庁検討会 手法、使途が論点


 「出国税」など観光施策の新たな財源創出を検討している観光庁の有識者会議「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」(座長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)の第4回会合が19日に開かれた。前回までに行った観光業界へのヒアリングなどを踏まえ、財源の確保手法や使途について論点整理に入った。11月中に中間報告として提言をまとめる。

 財源創出策については、「出入国」「航空旅行」「宿泊」のいずれかの行為に際して旅行者に課税、課金する手法を軸に検討されている。会議は非公開だが、これまでの委員の議論では、この三つの手法の中では、負担と受益の在り方などを考えると、出入国に際して負担を求める手法が適切ではないか、との意見が多いという。

 出入国に際して日本人、外国人を問わずに課税、課金する場合、確保した財源の使途を多岐にわたる観光施策分野の中でいかに規定するかなどが論点。特に、日本人海外旅行者の負担と受益の在り方などが検討課題となっている。

 訪日外国人だけに負担を求める場合は、米国の電子渡航認証システム(ESTA)の申請料のような外国人の出入国管理に伴う課金手法があるが、委員の間では目立った議論はないという。観光庁も、入国管理政策の大幅な見直しが必要で、具体的に導入できる段階にないと説明している。

 検討会は、10月中にさらに2回の会合を開催し、11月中に中間報告のとりまとめを目指している。

 
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