全旅連全国大会 in 福島 本日開催


会長あいさつ

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 会長 多田計介

 第99回全旅連全国大会の開催にあたり、皆様に謹んでご挨拶申し上げます。

 昨年から続いている新型コロナウイルス感染は幾度かの波を繰り返し、ワクチン接種により落ち着くかのように思えましたが、この原稿を書き記している段階でもデルタ株を中心とする第5波が猛威を振るっており、緊急事態宣言地域とまん延防止等重点措置地域を含めると東北と一部地域を除き全国的に広がっている状況であり、昨年の山口大会に引き続き、このような大会になりましたことを深くお詫び申し上げます。

 こうした状況の下、本年6月からの私の3期目がスタートしました。引き続き舵取り役を任されましたのは、世界中を席巻した新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中で、現状打破とコロナ後の宿泊業の未来が輝かしいものになるための道標を示すようにという皆様の思いだと深く受け止めております。もとより、これだけではありません。私たちに課せられた課題は山積しております。

 今回のコロナの教訓として、生活衛生の面から食中毒や感染症について私たちは細心の注意を払い、予防や対策に努めて参りました。ただ、このような世界同時感染には私たちの危機管理が通用しないことを思い知らされました。

 そこで今回、福島を開催地として選んだのは2011年3月11日の東日本大震災、津波、原発事故から10年が経過し、完全復興とまでは言えないまでも奇跡的な復興を遂げている福島を見ていただきたかったからであります。私たちはこの大震災を風化させてはならないのです。そして、何よりも地域の人々が助け合いながら、「復興」という目標に向かって必死でやってこられたことを改めて知って欲しかったのです。あの忌まわしい大震災は、私たちの心を一つにしました。そして皆さんのご支援を得られて、ここまできたということを見て欲しかったのですが、残念にもかないませんでした。しかし、このコロナで弱りかけた私たちにとって福島の人たちの三重苦を跳ね除けた力が私たちの力の源となり、全国の自治体との連携協定へとつながりました。

 そして、今、宿泊業界は歴史の中で大きな転換点にあると思います。そのためには、旅館業法の見直しや業界として社会的地位向上を目指す必要があります。皆様もご承知のとおり当連合会の定款の中に、「国際観光立国の推進に寄与する」という一文が加えられました。この意義は、長い歴史の中で私たちが他の産業と比較して決して高く評価されていなかったことを転換する好機となりました。そして、コロナ後もインバウンドは我が国の大きな基幹産業の一つとして成長発展していくことに間違いはなく、コロナ前よりも国はなお一層進行することと思います。今まで積み上げてきた地道な努力を引き続き進めて参りますので、皆様のご協力・ご支援をよろしくお願いします。

 また、コロナ後に再来する人手不足や生産性向上のためのDX化(デジタルトランスフォーメーションの略/ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること)の整備に取り組みます。さらに事業承継についても積極的に取り組んでまいります。そして、何よりも能力のある若い世代を全旅連の執行部も含めて、登用していかねばならないと思っております。そのためには、皆様のご理解とご協力が必要であります。引き続きご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願いします。

 最後になりましたが、福島の皆さんにはたくさんの準備を無にしてしまい誠に申し訳ありません。私自身、断腸の思いであります。私たちは、皆さんの復興にかけた努力をこの目で見て勇気をもらいたかった。残念にもかないませんでしたが、皆さんの魂は今般の大会の参加者だけでなく全会員に伝わると思っています。本大会の主催者の皆様、それを支えていただいた関係者の皆様に改めてお礼を申し上げます。

理事長あいさつ

第99回全旅連全国大会実行委員長

福島県旅館ホテル生活衛生同業組合 理事長 小井戸英典

 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から本年3月11日で丸10年が経過しました。失意のどん底だったあのときからなんとか立ちあがることができたのは、全国の「友人」からいただいた数え切れない支援があったからこそだと思っています。全旅連から贈られた役員はじめ全国の皆様による励ましの寄せ書きも、組合の大切な宝の一つとして、今でも大切に事務所に飾られています。福島県組合員を代表し、改めて心より御礼を申し上げます。

 その10年が経過した節目の年に、第99回全旅連全国大会を福島県で開催できることは、とても感慨深いものです。皆様に「ありがとう」をお伝えできる機会であると同時に、福島の今を直接ご覧いただける貴重な場でもあります。実行委員会では、コロナ禍ではありましたが、感染拡大防止策を組み入れた先進事例的な大会の実施とするべく直前まで準備を進めて参りました。しかしながら、大会直前期には福島県がまん延防止等重点措置の対象となってしまうなど、全国的に過去最大となる感染拡大の状況となりました。そのため、全国からの県境を越えた数百名規模の移動を伴う大会実施については参加者の安心安全が担保できないと判断するに至り、残念ですが、昨年同様に原則無観客で開催する大会をライブ配信する形式に変更させていただきました。

 昨年より続くコロナ禍の影響は宿泊業界に大きな影を落とし続けてはいます。しかし、ワクチンの接種率は飛躍的に向上し、重症化率を下げる効果が期待されています。今後は、宿泊業を筆頭に経済の回復に重点を置く政策の実施が期待されるところです。

 福島県からの「ありがとう」の想いは、ライブ配信であっても何ら変わることはございません。大会の開催に向けご協力ご支援いただいた多くの皆様に心より感謝申し上げます。全国の旅館ホテルがコロナ禍によって東日本大震災以上の影響を被っている今、第99回全旅連全国大会in福島の開催が契機となり、あのときの福島、そして東北地方が復興に向かうことができたように、全国の仲間が早期に復興していくことをご祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。

 

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