全旅連会長に佐藤氏(日本の宿古窯)、組織力強化誓う


所信を述べる佐藤氏(中央)

所信を述べる佐藤氏(中央)

 全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)は8日に開いた理事会で、次期会長に佐藤信幸・山形県旅館生活衛生同業組合理事長を選出した。佐藤次期会長は小原現会長の事業を継承しつつ、新たな課題への対応として(1)会員数減少への対処(2)組織力の強化と活性化(3)組合員に役立つノウハウの提供──の3点に力を入れると述べた。

 佐藤氏は、「10年前に約3万軒だった会員数は、現在(昨年12月末時点)1万9680軒になった。3軒に1軒がなくなった計算だ。このまま看過すると大変なことになる」と、会員数の激減に危機感を募らせた。その上で、「実態を把握し、対応しなければならない。旅館業界の新たなビジネスモデルを示したい」と述べ、会員数減少に歯止めをかける、何らかの事業を立ち上げる考えを示した。

 佐藤氏はまた、「各県理事長の意見を運営に反映させたい。正副会長会議を定期的に開き、その後ブロック会で各県理事長の意見を聞き、全旅連の運営に生かす」と、組織力の強化、活性化に向けた自身の考えを示した。

 さらに佐藤氏は、「全旅連にはこれまで培った多くのノウハウがある。これらを整理し、積み重ね、会員の経営に役立つノウハウを提供したい。情報を共有化し、会員個々の問題に対応したい」と述べた。具体的構想として、会員専用のコミュニティサイトを挙げ、その構築には特に青年部との連携が必要だとした。

 佐藤氏は、これらの重点施策を示した上で、「会員数は少なくなったとはいえ、2万軒近くある。そのポテンシャル(潜在能力)は観光業界の将来を左右するものだ。先輩方の英知をお借りし、経営者の皆さんの意見に耳を傾け、業界に新風を吹かせてまいりたい」と、会員総力戦で業界の難局打開に立ち向かう考えを示した。

圧倒的多数で信任 会長選挙で佐藤氏
 佐藤次期会長は、理事による信任投票で決定した。

 全旅連会長選挙は、立候補届出期間に立候補者が佐藤氏ひとりだったため、内規により信任投票となった。

 当日の出席者と委任状による投票の結果、信任81票、不信任1票、無効ゼロ票と圧倒的な支持を集めて当選が決まった。

 小原会長はあいさつで「全旅連運営に大きな情熱を持っている方」と述べ、出席者に対して自身の後継者への支援を求めた。佐藤氏は「身が引き締まる思い。2万軒の組織のリーダーとして、節制してがんばります」と所信を述べた。

所信を述べる佐藤氏(中央)
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