帝国データバンクの景気動向調査によると、今年2月の全国企業の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比1.7ポイント増の35.4だった。4カ月連続の改善で、09年3月に始まった今回の景気回復局面の最高を更新。リーマン・ショック以前の08年3月の水準に戻った。同社では「国内景気は外需がけん引して踊り場を脱し、緩やかに回復を続けている」と指摘。ただ、内需の回復遅れやデフレの長期化、根強い雇用不安などを背景に「足元は依然として不安定な状況にある」としている。
調査は全国企業2万3263社に実施。1万990社から有効回答を得た。
DIを10の業界別にみると、昨年3月以来、11カ月ぶりに全10業界が改善した。
製造は前月比1.9ポイント増の37.8。4カ月連続の改善で、10業界中、2カ月連続の最高値となった。新興国などの好調な外需を背景に機械、電機、自動車などが改善。全体の回復をけん引している。
運輸・倉庫は同0.9ポイント増の36.6。2カ月連続で改善したが、燃料価格の上昇傾向もあり、改善は小幅にとどまった。
小売は同2.1ポイント増の34.1。改善基調だが、内需の回復が遅れており、6カ月連続で全体のDI値を下回っている。
建設は同0.8ポイント増の28.1。4カ月連続で改善したが、公共工事の削減などで、10業界中で唯一、20台の低水準となった。
10の地域別では、昨年7月以来、7カ月ぶりに全10地域で改善した。
南関東は同1.2ポイント増の37.1。他地域より改善が進み、全国10地域中で13カ月連続の首位となった。
東海は同2.6ポイント増の35.7。好調な外需を背景に自動車関連メーカーを中心に改善が続く製造をはじめ、7業界が改善。6カ月ぶりに全体のDI値を上回った。
九州は同2.4ポイント増の35.4。新燃岳の噴火や鳥インフルエンザの影響で前月、都道府県別の最下位になった宮崎が2カ月ぶりに改善。ただ、回復力は弱く、岩手と北海道に次ぐ低水準となっている。
北海道は同2.1ポイント増の27.9。過去2番目に多い入場者数となったさっぽろ雪まつりなどで小売やサービスが改善したが、他地域に比べていずれも低水準で、12カ月連続で全国10地域中の最低となった。