全国企業の景気DI、旅館は4ヵ月ぶり改善


 帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の9月分を公表した。同月の景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は、旅館・ホテルが前月比7.3ポイント増の47.2と、4カ月ぶりに改善した。全業種計は同0.3ポイント増の45.0と、2カ月連続で改善。公庫では「旺盛な建設需要が(DIの)押し上げ要因となったほか、一部で(消費税率引き上げの)駆け込み需要もみられた」と指摘。一方、「国内景気は製造業の悪化を受け、後退局面入りの可能性が強い」としている。

 10の業界別では、サービス、小売など8業界が改善。製造とその他の2業界が悪化した。

 サービスは同0.3ポイント増の51.0と、3カ月ぶりに改善。「ラグビーW杯開催を受けた宿泊需要の拡大が追い風となった『旅館・ホテル』や『飲食店』は、単価上昇が好材料となった」。サービス15業種では、旅館・ホテル、飲食店のほか、「人材派遣・紹介」「教育サービス」など9業種が改善。「娯楽サービス」「メンテナンス・警備・検査」など6業種が悪化した。

 小売は同2.4ポイント増の42.6と、2カ月連続で改善。「消費税率引き上げを直前に控え、幅広い業種で駆け込み需要が発生し、4年8カ月ぶりの大幅な改善となった」。

 製造は同0.8ポイント減の40.6と5カ月連続で悪化した。世界的な自動車販売台数の減少を背景に「輸送用機械・器具製造」が悪化するなど、12業種中9業種が悪化した。

 10の地域別では、8地域が改善。北関東と北陸の2地域が悪化した。

 南関東は同0.4ポイント増の46.1と、2カ月連続で改善。東京五輪関連の「建設」「運輸・倉庫」などが大きく改善した。県別では千葉県が2カ月連続で改善したが、台風15号の被害を受けた地域は大幅に悪化した。

 東北は同1.5ポイント増の43.2と、5カ月ぶりに改善。国内外からの観光客増加を背景に、ホテル建設や公共工事が活発な「建設」が大きく改善した。

 九州は同0.8ポイント増の47.1と、2カ月ぶりに改善。ただ、韓国、香港などからの訪日客減少による悪影響もあった。

 規模別では、大企業、中小企業、小規模企業の全てが1年2カ月ぶりに改善した。小規模企業では「軽減税率への対応に伴う特需が表れたほか、キャッシュレスや改正割賦販売法への対応で決済端末の入れ替え需要などがみられた。また、旅行代理店など一部でラグビーW杯が好材料となった」と同公庫。

   ■   ■

 景況感に関する企業の主な声は次の通り。

 「当地の主要産業の一つである観光業が季節的にピークを迎え、入込数も順調に推移している。建設業ではホテル建設がラッシュ」(現在、良い、信用協同組合・同連合会)。

 「外国人観光客の増加でホテル、マンションの建設が好調」(現在、良い、一般土木建築工事)。

 「韓国との関係悪化の問題で旅行客が全く来ない」(現在、悪い、菓子小売)。

 「ラグビーW杯や即位の礼などで需要は増大しているが、例年開催されている催しなどが行われないことで、差し引きプラス需要になっていない」(現在、どちらでもない、旅行代理店)。

 「宿泊はラグビーW杯もあり、11月までの予約は好調である」(現在、良い、旅館)。

 「東京五輪に伴いマンスリーや民泊などの需要が増えるため、一時的に売り上げが伸びる部門がある」(先行き、良い、不動産管理)。

 「2020年の東京五輪特需は期待できるが、通常のマーケットはインバウンド以外の伸びが期待できない」(先行き、どちらでもない、一般貸切旅客自動車運送)。

 「韓国への旅行需要が不透明」(先行き、どちらでもない、一般旅行)。

 「日韓問題で韓国からの旅行者が激減する」(先行き、悪い、普通洗濯)。

 
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