九州運輸局が「魅力ある物語百選」、誘客テーマに活用


 九州運輸局はこのほど、九州にまつわる小説や映画、テレビドラマ、歌などを誘客に役立てようと、「魅力ある九州の物語百選」として観光テーマに100点を選定した。併せて、これらの物語を活用した地域づくりや広域観光ルートの開発、専門ガイドの育成などを提言している。

 九州運輸局では、昨年7月に「九州物語委員会」を設置した。田中浩二・九州観光推進機構会長(JR九州会長)を委員長に、観光、運輸の企業・団体の代表、マスコミ関係者などの委員らが参加。百選の選定とその活用策をまとめた。

 百選に挙げられた主な物語は、屋久島をモデルにしたと言われるアニメ映画「もののけ姫」、長崎市の花街を舞台にした小説「長崎ぶらぶら節」、小説や映画、テレビドラマなどで話題を集めた佐賀県が舞台の「佐賀のがばいばあちゃん」など。

 作品だけでなく、九州にゆかりのある歴史上の人物や事件などもリスト入り。江戸期のキリシタン弾圧に対して起きた天草・島原の乱、南九州が舞台とも言われる天孫降臨神話、現在放映中のNHK大河ドラマの題材となっている天璋院篤姫なども含まれている。

 物語百選の活用策では、物語をテーマにした体験・交流型観光、滞在型観光、教育旅行などの新たな旅の提案につなげるように提言した。

 物語が複数の観光資源を結びつける広域観光ルートの開発も重視した。モデルルートとしては、福岡、大分、熊本の3県にまたがってゆかりある土地や建造物が広がる、明治、大正期の炭鉱王、伊藤伝右衛門と、その妻だった歌人の柳原白蓮をめぐる物語を挙げている。

 物語の活用に伴う旅行者の受け入れ態勢の充実も求めた。まちづくりでは、物語と一体となったハード、ソフト整備として、観光案内サービスの強化やイベントの開催、記念碑や歩道の整備などを挙げた。物語の魅力を伝える専門ガイドの育成などの必要性も指摘した。

 物語百選の選定と提言を踏まえ、九州運輸局観光地域振興課では「新たな旅の提案や広域ルートの開発につながる施策を展開していきたい。百選を広く紹介する冊子の作成も関係機関と検討して実現させたい」と話している。

 物語百選については、今月中にも、九州観光推進機構のホームページに「九州物語ライブラリー」と題した紹介ページが開設される予定。

 
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