九州ブロック観光圏事業、博覧会やパス発行


 観光圏整備法に基づく観光圏の事業で、九州地方では、今年度新たに2地域が認定を受け、計6地域による滞在型の観光地づくりが進められている。阿蘇くじゅう観光圏が九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に向けて地域博覧会を開催するほか、雲仙天草観光圏が滞在日数の増加とリピート率の向上を目指してスタンプラリー形式の「観光圏パスポート」を発行するなどの新たな事業が展開される。

 阿蘇くじゅう観光圏は、熊本県の阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、西原村、山都町、大分県の竹田市の9市町村。2008年度に認定を受けた。

 9市町村が一体で実施する阿蘇カルデラツーリズム博覧会「阿蘇ゆるっと博」は地域の自然や農村、商店街、温泉街などをパビリオンに見立て、多様なコンテンツで旅行者を楽しませる。九州新幹線の開業に合わせ、2011年3月から1年間にわたり開催する。

 博覧会の柱はエコツーリズム、グリーンツーリズム、タウンツーリズム。開催に向けて農業体験やトレッキングなどのプログラム、スムーズな移動が可能な二次交通、旅を支援する人材、GPS機能付き携帯サイトの情報発信などを充実させる。

 雲仙天草観光圏は、長崎県の島原市、雲仙市、南島原市、熊本県の天草市、上天草市、苓北町の6市町で構成。09年度に観光圏の認定を受けた。

 今年秋に観光圏パスポートと題した観光情報手帳を発行する予定。宿泊施設や観光スポット、飲食施設の情報を掲載し、スタンプの押印ページをつくる。割引クーポンの特典も付ける。将来的には公共交通機関などのチケットの付加などを検討していく。

 宿泊日数の増加に向けては、夏をめどに圏域内を連泊、転泊する旅行者に宿泊料金の割引や特典を設けた「連・転泊プラン」なども造成。旅行会社を通じた販売も検討する。

 このほか、新東九州観光圏(大分県、宮崎県の7市)は、全国的に知名度が高い別府、由布院の温泉から、食の魅力が充実している臼杵、津久見、佐伯への周遊を促進するため、プレゼントなどを提供する「温泉&グルメキャンペーン」を実施する。平戸・佐世保・西海ロングステイ観光圏(長崎県の3市)は、宿泊の魅力向上のための泊食分離のモニター実験、宿泊施設と飲食店の連携によるグルメ商品の開発などを推進する。

 今年度に新規認定を受けた豊の国千年ロマン観光圏(大分県の8市町村)、玄界灘観光圏(長崎県、佐賀県、福岡県の5市町)も情報発信や受け入れ態勢の充実に取り組む。

 
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