ソフトバンク子会社でホテル・旅館チェーン運営のOYO Japan(オヨジャパン、東京都港区、田野崎亮太社長)は16日、社名を4月1日から「Tabist(タビスト)」に変更すると発表した。長期化するコロナ禍でインバウンド客需要の回復が不透明な中、ブランドを一新することで、国内宿泊客の取り込みにかじを切る。
同社は世界80カ国以上で展開するグローバルなホテルブランド「OYO(オヨ)」の日本法人として2019年2月に発足。現在、43都道府県で235施設(全6820室)が加盟している。今回のリブランドにより23年3月末までに全都道府県、300施設(全1万室)への拡大を目指す。また、アプリやウェブサイト、メルマガなどの登録会員(ユーザー)数が10万人いることから、ユーザー数は倍増の20万人を目標にする。
リブランドに伴い、全国の加盟宿泊施設に掲げている「OYO」の看板は順次「Tabist」に交換する。グローバルブランドのOYOと連携する日本独自ブランドとしてTabistを展開していく。20年3月に立ち上げた旅館ブランド「OYO Ryokan」は廃止し、Tabistブランドに統合する。
現在の加盟施設の内訳は、ビジネスホテルが60%、旅館が30%、リゾートホテルが10%。16日に開いたオンライン会見で田野崎社長は「グローバルで均質なホテルチェーンから、日本の旅と宿泊環境にフィットした新たな体験を提供するブランドへと生まれ変わる。20室程度の中小旅館にフォーカスし、集客最大化、売上最大化、生産性向上、オペレーション代行でお手伝いさせていただきたい」と述べ、旅館の加盟強化を進める考えを示した。