ホテル・旅館の業況DI、マイナス水準も大幅増 日本政策金融公庫調査4~6月期 


 日本政策金融公庫はこのほど、ホテル・旅館、飲食など生活衛生関係営業の景気動向等調査の4~6月期分を公表した。同期のホテル・旅館の業況判断DIは前期(1~3月期)比17.9ポイント増のマイナス9.6だった。3期連続のマイナス水準も、前期から大きく上昇した。生活衛生関係営業全体も同18.8ポイント増のマイナス13.4と上昇した。

 DIは、業況が前期に比べ「好転」と回答した企業割合から「悪化」と回答した企業割合を引いた値。

 業種別ではホテル・旅館のほか、飲食業(前期比11.5ポイント増のマイナス18.5)、映画館(同8.3ポイント増のマイナス25.
0)、理容(同31.2ポイント増のマイナス6.9)などが上昇した。

 来期(7~9月期)はホテル・旅館が今期比18.6ポイント増の9.0と、プラス水準に回復の見通し。

 生活衛生関係営業全体は同4.0ポイント増のマイナス9.4。

 調査は6月中旬、生活衛生関係営業3290企業に実施。このうち3120企業から有効回答を得た。ホテル・旅館は177企業が回答した。

     ◇

 業況に対する判断理由でホテル・旅館の主な声は次の通り。

 「団体利用(スポーツ、芸能、イベント会社等)の予約があったことに加えて、インバウンドの取り込みが増えたことにより好転」(今期、好転、埼玉県)。

 「前期を下回るが、4~6月は、栃木県でのデスティネーションキャンペーンの効果やインバウンドが増えたことで、順調に推移している」(今期、不変、群馬県)。

 「サオリーナ(総合体育館)が昨年末完成したことで、スポーツの全国大会などが、かなりの回数開催され、週末を中心にスポーツの団体宿泊が増えた」(今期、好転、三重県)。

 「温暖化により桜開花が例年より早くなり、宿泊、昼食の団体キャンセルや当日客の減少等で、ゴールデンウイークも伸びず、前年同月比減となる」(今期、悪化、滋賀県)。

 「道後地区では、4月より『道後オンセナート2018』を開催しており、人気を博している。予約は順調に入っており、例年並みに推移している。比較的単価の低い旅館・ホテルの人気があるようだ」(今期、不変、愛媛県)。

 「前年は地震の復旧工事関係者などの宿泊が多かったが、今年度はインバウンドのお客さまや宴会などが増加傾向である」(今期、不変、熊本県)。

 「昨年は、ふっこう割等でお客さまが多かったため、当期はその反動もあって減少している。インバウンドは徐々に伸びているが、国内客の減少をカバーするまでには至っていない」(今期、悪化、宮崎県)。

 「今期の桜は早咲きで早くから宿泊客が多く、連休中は個人客が多く満室となった。また、ブライダルも好調で売り上げ増加につながっている。来期はスポーツ大会やツアーも開催され、さらにインバウンドも多く、売り上げ増加が見込める」(来期、好転、青森県)。

 「近隣に大型ホテルが開業して半年になるが、その影響はない。地域全体としてホテル利用客が増加していると思われる」(来期、不変、神奈川県)。

 「新規開業する宿泊施設が増える傾向にあるが、当エリアにまだニーズがあるため宿泊者は増えると思われる。しかし、宿泊単価は下落する恐れがあると思われる」(来期、不変、大阪府)。

 「夏休みに続いて、大規模イベントである、ゆめ花博が開催されるため、集客に期待している」(来期、好転、山口県)。

 
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