ブッキング・ドットコムは18日、「サステイナブル・トラベル」に関する調査結果を発表した。
本調査は、2018年2月、3月にブッキング・ドットコムが12ヶ国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、フランス、インド、イタリア、日本、スペイン、イギリス、アメリカの各国1,000名以上)の合計12,134名を対象にインターネット上で行ったアンケート調査に基づきます。回答者は、12ヶ月以内(2017年)に1回以上旅行をしたか、もしくは12ヶ月以内(2018年)に1回以上旅行に行く予定の18歳以上に限られます。
【調査リリース トピックス】
- 「サステイナブルな旅をする意欲がある」と答えた回答者は87%、日本人に限定すると81%が回答しサステイナブル・トラベルの人気は世界的に拡大していることが判明。「実際にサステイナブルな旅をよくしている」あるいは「常にしている」と答えた回答者は世界では39%となり、日本人は25%にとどまり、まだまだ世界との隔たりがあることが分かった。
- 一方で、48%の回答者がサステイナブルな旅には「まったく行かない」、「めったに行かない」または「たまにしか行かない」と回答。日本人に限ると56%と半数以上が行かない傾向にあり、多くの旅行者がその意欲や興味はあるものの、まだまだ実際に行動に移せるところまでには至っていない。
■「サステイナブルな旅」で連想するのは「エコフレンドリーな宿泊施設」
「サステイナブルな旅」と聞いて連想することを聞かれると、もっとも多かった回答は「エコフレンドリーな宿泊施設に泊まること」(46%)となりました。エコフレンドリーな宿泊施設を選ぶ理由としてもっとも多かったのは、「環境への影響に配慮したいから」(40%)、「現地に根差した体験ができるから」(34%)、「良いことをしているという実感が欲しいから」(33%)との回答でした。**
2018年の間にエコフレンドリーな宿泊施設に泊まろうと思っている回答者は、2016年の62%と2017年の65%に比べて、68%までのぼりました。さらに、エコフレンドリーな宿泊施設というものがあることを知らないことを理由として、宿泊を検討したことがないと答えた回答者の割合は2017年(39%)と2016年(38%)から下がり、31%に留まりました。**
日本人のみの結果を見ると、2016年(43%)、2017年(41%)、2018年(43%)とその傾向に変化はあまり見られませんでした。
■サステイナブルな旅をするきっかけは今までの旅行での経験がカギ!
サステイナブルな旅をしようと思うきっかけについて聞かれると、60%の回答者が「これまでの旅行中に遭遇した自然の景色に感動したこと」と回答し、54%の回答者が「これまで訪れた旅行先でツーリズムが及ぼす影響を目の当たりにしたこと」と回答するなど、これまでの旅行こそが大きなきっかけとなっていることが分かりました。 一方、日本人の結果は、TOP3こそ同じものの、その割合が少なく、サステイナブルな旅に関しての傾向が希薄であることが分かります。
■日本人がサステイナブルな旅が出来ない理由は情報の欠如だった!
サステイナブルな旅に意欲があるものの、なかなか実行できない理由としてもっとも多く挙げられたのは、「金銭的な負担」(42%)であり、その一方で、環境への悪影響を最小限に抑えられるのであれば出費を5%以上増やしても良い、と答えた回答者は66%にも及び、なかでもインド人(32%)、ブラジル人(21%)、中国人(18%)は特にこの傾向が強いことが分かりました。
一方日本では、「金銭的な負担」を理由に挙げた人は27%に留まり、世界と比較すると15ポイントも低い傾向に。最も多かった回答は、「情報/認証制度の欠如」30%となり、どうすれば
サステイナブルな旅が出来るのか分からないことを理由にする人が多いことが判明しました。
サステイナブルな旅に対する意欲が高まるのに伴い、40%が「予約サイトでエコフレンドリーな宿泊施設だけを絞り込める機能があったら望ましい」と回答し、32%が「エコフレンドリーな宿泊施設を認定する国際的な基準を求める」など、サステイナブルな旅がしやすくなる環境を求めていることが分かりました。
ブッキング・ドットコムでは、厳しい認証審査を受け、環境への悪影響を最小限に抑えるさまざまな取り組みを行っている施設に与えられる国際的なエコラベル「グリーンキー(Green Key)」などと提携し、認証された施設を「環境にやさしい」施設として掲載するなど、パートナー施設のサステイナビリティに関する取り組みをサポートしています。
■サステイナブル・トラベルで旅行がさらに楽しく!
サステイナブルな旅というのは、必ずしも何かを犠牲にしたり、無理をして行うものではありません。その証拠に、多くの回答者が、旅行がさらに楽しくなることを理由として、サステイナブルな効果があるアクティビティや行動などを旅行に取り入れていることが分かりました。
ブッキング・ドットコムのマーケティング最高責任者(CMO)、パパイン・ライヴァースは次のように述べています。
「サステイナブルな旅に興味を持つ旅行者が増える中、弊社では、エコフレンドリーな宿泊施設を見つけやすくしたり、Booking.comでの検索結果を電気自動車の充電スタンドへの距離に基づいて絞り込む機能を設けるなど、サステイナブルな旅がより身近になるようにお手伝いをできる方法を常に考えています。また、弊社では、サステイナブル・ツーリズムに有意義な変革をもたらすためには様々な方面での協力が必要不可欠であるという考えをもとに、サステイナブル・ツーリズムに携わっている将来有望なスタートアップ企業を指導し、助成金を提供するプログラム「ブッキング・ドットコム・ブースター(Booking.com Booster)」を設けています。このプログラムを通して、サステイナブル・ツーリズムの領域におけるイノベーションの促進に貢献できればと考えています。今回の調査では、サステイナブル・トラベルが誰にとっても実現可能であることがわかりました。これを励みに、皆で協力することによって、よりサステイナブルな社会を築いていければと思います。」
*回答者の割合は、2017年の間に1回以上エコフレンドリーな宿泊施設に泊まった回答者4,768名に基づきます。
**ブッキング・ドットコムがサステイナブル・トラベルに関する調査を行ったのは今年で3年目となります。調査方法や基本的な質問内容に変更はありませんが、質問が追加されたほか、回答者数も年々増えています。2017年に行われた調査の回答者数は合計11,069名(2018年に追加されたインドを除き、上記国の各国1,000名以上)、2016年に行われた調査では合計10,025名(スペイン、フランス、インドを除き、ニュージーランドを加えた上記国の各国1,000名以上)でした。