浴槽メーカーのバイタルシステム(東京都北区)はこのほど、重油など化石燃料の燃焼効率を改善する「テクノファイブ」の販売を旅館・ホテルに対して始めた。開発元はテクノロック(長野県松本市)。天然鉱石を砕いて特殊な処理を施した筒状の燃料改善剤で、これを重油ボイラーなどに投入するだけで、燃焼効率が改善できるという。
化石燃料の主成分である炭化キシレン分子は、そのほとんどが3、4個のクラスター(団子)状態になっている。化石燃料はこの炭化キシレンと酸素分子が結合することで燃焼する。しかし、酸素はクラスター状態の中の1つのキシレン分子としか結合せず、残った分子は有害排気ガスなどとなって排出されている。
テクノファイブは、クラスター状態のキシレン分子を一つひとつの分子に分解するもの。酸素はバラバラになった炭化キシレンと確実に結合するので、燃焼効率が向上する。「有害排気ガスの低減に加え、重油ボイラーは長持ちする。音はガスボイラーなみに静かになり、メンテナンスも不要」と同社。長野県を中心に病院や学校、ホテルなどで採用されている。
松本市にある「ホテルブエナビスタ」(200室)も6年ほど前にテクノファイブを導入した。「重油が高騰した年だった。省エネ法に対応するためにも、取り組みの必要性を感じていた」と長谷川一夫営業部長。
導入当初は10%程度を削減。その後、燃料を温めれば燃焼効率がさらに高まることをテクノロックが突き止め、重油ボイラーに加温装置を組み込んでからは、「23%の削減に成功した。年間で500万円以上の削減効果が出ている」と長谷川部長。
この件についての問い合わせ先は、バイタルシステム(TEL03・5948・2038)。
松本市のホテルブエナビスタ