ネットエージェント、GWの国内旅行予約が好調


 景気低迷のなか、今年のゴールデンウイーク(GW)休暇を利用した国内旅行は、定額給付金の支給や高速道路のETC割引による旅行者の増加が期待されている。大手旅行各社がGW期間中の予約を堅調に集めているなか、各ネットエージェントも豊富な宿泊プランで予約数を伸ばしている。インターネット経由の手軽さや自分で交通手段を予約できる利便性などを強みに、間際の需要も取り込みそうな勢いだ。

 楽天トラベルが15日発表したGW期間中(4月25日〜5月5日)の高速バス予約などを含めた国内旅行の予約流通総額は、同27.0%増と好調。「GWが近づくにつれ予約が入っており、間際まで伸びが期待できそう」と同社広報担当はみる。

 宿泊予約単体でも前年同期比24.7%増と伸ばしている。宿泊予約の都道府県別の状況をみると、新潟県が前年同期比55.8%増と好調。以下、同50.2%増の宮崎県、同49.3%増の山形県。

 このほか国内旅行関連予約サービスでは、レンタカー予約が前年同期比131.7%増、高速バス予約が同36.7%増。特に高速バス予約では、宿泊予約も好調の山形県、新潟県が、それぞれ同231.2%増、125.3%増と前年実績を大きく超えている。「放映中のNHK大河ドラマ『天地人』やアカデミー賞外国語映画部門受賞の『おくりびと』の舞台や撮影地として脚光を浴びている地域に予約が集まっているようだ」(同社)。ダイナミックパッケージ「ANA楽パック」も67.1%増と好調だ。

 リクルートが運営する「じゃらんnet」もGW(5月3〜5日)の予約数を大きく伸ばしている。19日現在の予約人泊数は前年同期比32%増。その後も順調に予約が入っており、「間際はもっと伸びるのではないか」と同社旅行カンパニーでは見る。

 方面別では、東京(同74%増)、愛知(同74%増)、神奈川(同65%増)の順で大きな伸び。このほか茨城、静岡、大阪の各府県も前年比50%超の増加となっている。「掲載プラン数の増加などが影響している県もあるがが、東京周辺に位置する県を中心に好調」(同社)。

 また台場・汐留・新橋・品川地域が同56%増となっている。同地域にはハイクラスホテルが多く集まっているが、景気後退により集客力が下がっている施設も多い。そのため各施設が従来に比べ割安な宿泊プランを投入しており、「GWの旅行計画に出遅れた人などが、近場でゆっくりしようと予約しているのではないか」(同社旅行カンパニー)とみている。

 安さが商品の消費者への訴求力を強めるなか、客室単価の高い外資系ホテルなどでも価格を下げて売り出す施設が出ているが、高級ホテル・旅館の宿泊予約サイト「一休.com」は、販売プランの平均単価を維持しながら、堅調に販売数を昨年よりも伸ばしている。「方面別では、京都、神戸、東京、九州が好調」と同サイトを運営する一休。

 「1万円相当の夕食や特典をプランに組み込むなど、各施設が利用者の満足度を高める工夫をすることで、プラン自体の単価を下げなくとも予約が入っているのではないか」と同社。

 同サイトでは13日ごろから予約のピークを迎えており、間際化の進行は見られないという。不況下でも高級宿泊サイトの老舗としての安定感は変わらないようだ。

 
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