楽天(三木谷浩史会長兼社長)は21日、07年度の中間決算(07年1〜6月)を発表した。EC事業、証券事業、プロスポーツ事業など6分野の事業の中で、楽天トラベルを中核とするトラベル事業が最も好調だった。
特に営業利益率は45.2%で全事業中の首位。「ローコストオペレーションが実現している」(三木谷会長)という楽天トラベルが、本業の「楽天市場」と共に楽天全体の業績を牽引した。連結業績は減収減益だった。
トラベル事業は、流通総額(取扱額)が前年同期比24.4%増の1027億円で、売上高が同25.2%増の60億100万円、営業利益は同35.5%増の27億1400万円となった。
楽天トラベルの予約泊数(1〜6月)は前年同期比23.5%増の1165万7千泊だった。また国内契約施設数は、昨年6月時点から1581軒増えて2万1447軒になった。
国内施設予約流通総額(取扱額)に占める携帯電話などモバイル端末からの予約比率は、前年同期比1.95ポイント増の10.7%となった。
楽天全体の連結業績は、売上高が前年同期比6.1%減の989億3100万円で、営業利益が同30.2%減の134億6300万円、経常利益が同28.2%減の149億8900万円、中間(当期)純利益が同18.3%減の58億300万円。
証券事業(楽天証券)とクレジットペイメント事業(楽天KC、楽天クレジット)が不調で全体の足を引っ張った。
また、三木谷会長は中国1位の宿泊サイト「シートリップドットコム」の保有株式20.3%を8月15日に売却し、455億円の売却益を得た背景について触れ、「中国におけるインターネットビジネスで米国や日本などの外国の企業が主導権をとるのは難しいから」と述べた。
三木谷会長兼社長