サクラクオリティ、感染症対策を推進 雪国観光圏で試験運用


宿泊施設にプログラム導入

 DMOや観光圏と連携して宿泊施設の品質認証制度「サクラクオリティ」を提供している観光品質認証協会(東京都千代田区、北村剛史統括理事)は、旅館・ホテルを対象にした「防疫および防犯防災衛生に関する安全管理プログラム」の試験運用を5月に入って開始した。宿泊施設が感染症対策の実施の有無、実施手法などを自己診断できる仕組みを導入。新型コロナウイルスの流行に伴う消費者意識の変化などに対応し、旅館・ホテルが品質管理の態勢をアピールできるよう支援する。

 試験運用は、サクラクオリティに参加している観光圏整備法に基づく観光圏で地域連携DMOの雪国観光圏(新潟県湯沢町、井口智裕代表理事)でスタート。区域内の宿泊施設約70軒が対象。試験運用を経て、約1カ月後には全国のサクラクオリティ参加施設に導入する方針だ。

 防疫の安全管理プログラムでは、従来の調査に加え、新型コロナウイルスに限定せず感染症全般に有効とされる対策の自己診断シートを宿泊施設に提供。実施の有無、どのような手法で実施したかのシートを毎月作成、提出してもらい、管理体制などを評価する。手法などについては医師や衛生管理の専門家などに意見を聞き、防疫に関するガイドライン(指針)も策定する。

 防疫のほか、防犯防災衛生の安全管理プログラムに関しては、すでにサクラクオリティの品質認証で安全性などの項目として調査対象だが、事故の一歩手前の事例、いわゆる「ヒヤリ・ハット」の事例を収集し、対策などに関する専門家の意見を付けてデータベース化する。参加宿泊施設の事例を集め、情報を共有することで、今後の安全管理に生かしてもらう。

 安全管理プログラムの導入について観光品質認証協会の北村統括理事は「防疫や防犯防災衛生の管理態勢を強化することで、ポスト・コロナ時代の顧客ニーズにマッチした宿泊施設づくりを進める必要がある。安全、安心を品質の軸に調査基準を整備してきたサクラクオリティだからこそのプログラムだ。これらの情報は宿泊市場に積極的にアピールできる」と話す。

 サクラクオリティの品質認証制度は、全国13の観光圏を含めて18のDMOが導入している。参加宿泊施設数は約220施設。宿泊施設の安全性や機能性、快適性に関する調査を実施し、「1サクラ」から「5サクラ」までのマークで認定する。「フェーズⅠ調査」では、安全面、衛生面などの基準約300項目を調査。「3.5サクラ」以上の認定には「フェーズⅡ調査」が必要で、2100項目以上の基準を覆面調査を含めて調査している。

 
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