コロナ禍でオンライン予約にシフト 国内OTA4社が指摘


(上段・左から)柴田氏、髙野氏、榊氏、(下段・左から)宮田氏、盛崎氏

海外旅行の需要が国内に GoToで高級施設に集中

 OTAの国際カンファレンス「WiT JAPAN&NORTH ASIA」が5日、オンラインで開催された。例年は、国内外からOTA、エアライン、ホテルなどのウェブトラベル関係者が東京都内のホテルに集まり、実施していたが、今年はコロナ禍のためオンライン開催となった。WiTはウェブ・イン・トラベルの略称。2012年から年に1度実施している。

 国内OTAセッションには、楽天・執行役員コマースカンパニートラベル&モビリティ事業長の髙野芳行氏、一休・代表取締役社長の榊淳氏、JTB・執行役員Web販売部長の盛崎宏行氏、リクルート・じゃらんnetプロデューサーの宮田道生氏の4人が参加。WiT JAPAN&NORTH ASIA共同創業者でベンチャーリパブリック代表取締役社長の柴田啓氏がモデレーターを務めた。

 「過去4週間の売上高、予約数、サイトやアプリを訪れたユーザー数は、前年比で何%になったか」との問いには、一休が「大変好調で、今までの数倍」、リクルートが「東京は前年実績まで戻っていないが、それ以外のエリアは前年並み」、JTBが「4~5倍。単価が高いので売上高の伸び率が、予約数、ユーザー数の伸び率よりも高い」、楽天が「他社同様に好調。やはり単価は上がっている。ただ都市部の伸び率はまだ低い」と回答。

 「もしGo Toトラベルキャンペーンがなかったら、これらの数字はどれくらい下がっていたと思うか」という問いには、JTBが「昨年の半分くらいだったのではないか。Go To効果を実感している」、一休が「数倍にはならなくてもプラス成長はしていたと思う。客室にお風呂があり、部屋食もできる高級旅館は、一休の主要顧客である富裕層にとって3密回避に絶好の場所だ」と答えた。

 「今回のパンデミックで、日本の旅行市場にどのような変化が起きたと思うか」には、リクルートが「長期的な変化についてはまだ分からないが、短期的変化としては、報道にもあるように、同一県や隣接県に宿泊需要が集中した」と回答。楽天は「(旅行予約が)力強くオンラインにシフトしたと感じる。例えば中国では、パンデミック収束後もオンライン旅行予約のシェアが拡大している」と答えた。一休は「今まで海外旅行で使われていたお金が一気に国内の高級宿泊市場に流れ込んだ」と話した。

 また「日本のメディアは、Go Toトラベルキャンペーンは高級宿泊施設ばかりに需要が集まりすぎていると報道しているが、この報道は正しいと思うか」という一休に対する問いに対して、榊社長は「正しい」と即答。その上で「ユーザーは、従来旅行に使っていたのと同じ予算を支出して、今までよりワンランク上の宿泊施設での滞在を楽しむ傾向がある」と分析した。

(上段・左から)柴田氏、髙野氏、榊氏、(下段・左から)宮田氏、盛崎氏

 
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