日本オートキャンプ協会(明瀬一裕会長)はこのほど、「オートキャンプ白書2020」を発表した。白書によると、19年はキャンプシーズンである夏から秋にかけて大型台風が上陸するなど天候に恵まれなかったが、この数年伸びている秋から冬にかけてのキャンプ需要が旺盛で、参加人口は18年比1.2%増の860万人となった。7年連続の前年比プラス。
キャンパーの平均像をみると、年齢42.6歳、経験年数7.4年。年収は600万円代が最も多く、職業は会社員が6割弱を占めている。キャンプを始めたきっかけは子どものためで、ファミリー層の利用が多い。年間キャンプ回数は4.4回、延べ泊数は5.8泊だった。
活動時期は9月が最多で、6割を超えている。一方で、冬のキャンプも伸びており、12月6.9%、1月7.0%、2月7.3%、3月14.5%。「従来は比較的閑散期だった11月から3月も18年を上回る結果」と白書は指摘する。
1泊2日の1回当たりのキャンプ費用(高速代、ガソリン代、キャンプ場使用料、食材など)は平均で2万1695円、18年と比べ約3千円減っている。
キャンプのついでに周辺観光をするかを聞いたところ(17年調査)、「行った、もしくは行く予定がある」と答えたのが61.8%に上り、目的は「地元の料理や名物を食べに行く」(55.3%)、「名所や自然を見に行く」(49.3%)が多かった。
新しいキャンプのスタイルとして「グランピング」が注目されているが、16年調査では「興味がある」は27.9%、「興味がない」が60.8%という結果になった。
「ある」と答えた人の理由は「おしゃれそうだから」「豪華そう」など見た目のほか、テントや食事などが用意されているため、時間を有効に使うための手段として考えている回答が目立った。
対して、「ない」理由として挙げられたのが「自分でやるのがキャンプの醍醐味(だいごみ)」という指摘で、キャンパーのプライドが見え隠れする。
テントサイトまで車の乗り入れが可能なオートキャンプ場の施設数は、今年4月現在で1269カ所。大人2人と小学生2人が1泊2日でテントサイト1区画を利用してキャンプをした場合の料金は全国平均で4363円となっている。