エミレーツ航空、100%持続可能な航空燃料(SAF)でエアバスA380型機のデモンストレーション飛行を実施


 エミレーツ航空は11月22日、航空会社として初めて100%持続可能な航空燃料(SAF)でエアバスA380型機のデモンストレーション飛行を実施した。

  • 航空機の既存システムと完全互換性のあるドロップイン燃料として、SAFをA380型機に初めて使用
  • 業界全体を通じた協力体制で、エアバス、エンジン・アライアンス、プラット・アンド・ホイットニー、ENOC、ネステ、Virentの各社から専門的ノウハウを結集
  • 4基のエンジンのうち1基に100%SAFを搭載して性能を実証する画期的なフライト

エミレーツ航空は、2023年11月22日(ドバイ現地時刻)、航空会社として世界で初めて、SAF(Sustainable Aviation Fuel=持続可能な航空燃料)を100%使用したエアバスA380型機のデモンストレーション飛行を行いました。このフライトは、Khalid Binsultan機長とPhilippe Lombet機長の指揮の下、4基の搭載エンジンのうち1基に100%SAFを投入し、ドバイ国際空港(DXB)から離陸しました。これによりSAFがジェット燃料の技術的・化学的要件に合致するドロップイン代替燃料としての可能性を示すとともに、より持続可能な代替燃料であることを実証しました。SAFは従来のジェット燃料と比較した場合、燃料ライフサイクル全体の二酸化炭素排出量を最大85%削減*することができます。

今回のようなデモフライトの実施は、政府がSAFの生産やビジネス拡大を支援するためのより広範な戦略を採用し、100%SAFを用いた飛行の正式な認定、標準化に向けた導入を実現することに繋がります。A380型機によるデモフライトは、SAFの性能や適合性を改めて実証し、安全で信頼できる燃料であることを示すとともに、航空機性能に対する100%SAFの有益な効果を評価するために業界が実施している研究の拡大に貢献するものです。SAFは現在、商業フライト用のエンジンでは50%混合が上限となっています。

 

エミレーツ航空によるA380型機のデモフライトは、航空業界や国際機関および規制当局、政策決定を行う政府高官らが一堂に会してドバイで開催された国際民間航空機関(ICAO)の「航空及び代替燃料に関する第3回会合(CAAF/3)」に合わせて行われました。本日の実施に向けて、エアバス、エンジン・アライアンス、プラット&ホイットニー、ネステ、Virent  ENOCの各パートナー企業がテスト、技術評価、データ分析に献身的に取り組んできました。

 

この飛行に使用された100%のドロップインSAFには、再生可能な芳香族と従来のジェット燃料の特性を厳密に再現したものが含まれています。A380型機にドロップインSAFが採用されたのは今回が初めてで、機体の既存システムとの完全な互換性が期待されています。フライトには、ネステ社のHEFA-SPK(水添エステルおよび脂肪酸合成パラフィンケロシン)と、Virent社のHDO-SAK(水添脱酸素合成芳香族ケロシン)で構成された4トンのSAFが搭載されました。ENOCの支援により、HEFA-SPKで構成されたニートSAFの安全性を担保し、デモンストレーションに先立ってドバイ国際空港内の施設で持続可能な合成芳香族ケロシン(SAK)と混合され、航空機への給油が行われました。

 

100% SAFはエンジン・アライアンスのGP7200エンジン1基に使用され、他の3基には従来のジェット燃料が使用されました。また、プラット&ホイットニー・カナダのPW980補助動力装置(APU)も100%SAFで作動しました。

 

デモフライトの一週間前には、100% SAFを使用したA380型機搭載のエンジン・アライアンスGP7200エンジン1基のロバストエンジンテストが実施されました。目的は、特別に混合された100%ドロップインSAFが、エンジンの性能に影響を与えたり、改造を必要としたりせず駆動するかを検証することで、地上でのエンジンテストは、ドバイにある最先端のエミレーツ・エンジニアリングセンターで行われました。

エミレーツ航空の最高執行責任者(COO)であるアデル・アハメッド・アル・レダ(Adel al Redha)は次のように述べています。「エミレーツ航空は旅客航空会社として世界で初めて、エンジン・アライアンスのGP7200エンジン4基のうち1基に100%ドロップインSAFを搭載してエアバスA380型機を運航しました。私たちは研究開発によってより高濃度のSAFの試験導入を実行に移し、最終的に業界における100%SAFの導入の実現を目指しています。今回のデモフライトは、エミレーツ航空とパートナー企業にとって、またとない誇りであり、4基のエンジンを搭載したA380型機のエンジンの1基にSAFを使用して、検証を大幅に前進させるものでした。よりローエミッションの代替ジェット燃料に対する需要が世界的に高まっており、エミレーツ航空をはじめ、幅広い業界が二酸化炭素排出量の削減を進めていく上で、SAFの商用化と普及に向けたメーカーやサプライヤーの取り組みは、ますます重要になっていくでしょう。」

エアバス社コミュニケーションおよびコーポレートアフェアーズ担当エグゼクティブバイスプレジデント、ジュリー・キッチャー(Julie Kitcher)氏は次のように述べています。「エミレーツ航空による、100%持続可能な航空燃料(SAF)で駆動するエンジンを搭載した世界最大級の旅客機であるA380型機のフライトはまさに象徴的な瞬間でした。こうした燃料の実用化は、現在航空業界が直面するCO2排出量の問題に対する最も効果的な解決策であり、世界の主要航空会社からの支援も拡大しています。SAFは2050年までにネットゼロを達成するという業界目標を達成するために非常に重要であるものの、そのためには業界全体の後押しが不可欠です。エアバス社では2030年までにすべての航空機を100%SAF対応にするほか、パートナー企業と協力して、今後数年で世界のSAF市場の拡大を目指しています。エアバス社の目的は、安全で団結した世界のために持続可能な航空宇宙を開拓することです。エミレーツ航空とのパートナーシップを通じて、私たちは野心と行動を一致させています。」

 

GE Aerospaceとプラット&ホイットニー社との50/50の合弁会社であるエンジン・アライアンスのプレジデントであるエイミー・ジョンストン(Amy Johnston)氏は次のように述べています。「エンジン・アライアンスとエミレーツ航空の強力なパートナーシップ関係は、A380型機の運航を開始した15年前までさかのぼります。エミレーツによる最新のSAFのデモフライトを実現し、今後もより持続可能な航空業界の実現に向けて共に取り組んでいけることを誇りに思います。」

 

GE Aerospaceの中東、東欧およびトルコ地域グローバルセールス&マーケティング担当バイスプレジデント、Aziz Koleilat氏は次のように述べています。「100% SAFのデモフライトが示したように、2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロ化を実現するためのカギは、イノベーションとコラボレーションにあります。GE Aerospaceはエミレーツ航空がこのような素晴らしい成果を上げたことに祝意を表するとともに、当社がより持続可能な未来に向けた業界としての取り組みを可能にしていることを誇りに思います。GE Aerospaceとエンジン・アライアンスのすべてのエンジンは、この度承認された混合SAFで運転することができ、GE Aerospaceは徹底的な研究とテストを通じて、航空業界における100% SAFの承認と導入を先導します。」

 

プラット&ホイットニー社のチーフ・サステナビリティ・オフィサー、グラハム・ウェブ(Graham Webb)氏は次のように述べています。「航空業界がネットゼロ・カーボンの目標を達成するためには、SAFの利用を拡大して行くことが重要であり、私たちはプラット&ホイットニー社のすべてのエンジンやAPUが現行および将来のSAF仕様に適合するよう、懸命に取り組んでいます。エミレーツ航空A380型機による今回のデモフライトは、100%SAFの将来的な基準確立に向けた機運を高めるものであり、今後数十年間に飛行するすべての民間航空機のライフサイクル排出削減の可能性を最大化するものです。」

 

ネステ社の再生可能航空事業部門のコマーシャルマネジメント&事業開発担当バイスプレジデント、ジョナサン・ウッド(Jonathan Wood)氏は次のように述べています。「持続可能な航空燃料(SAF)は、航空分野における炭素排出量削減において重要な役割を果たすものの、脱炭素の可能性を最大限に活かすためには100% SAFの使用を可能する必要があります。今回、エミレーツ航空がネステ社のSAFを使用して行ったA380型機のフライトのようなテスト飛行は、将来の100% SAFの承認に向けた重要なステップであり、当社はそうした道を切り開くためのエミレーツ航空の取り組みに称賛を送ります。ネステ社はパートナー企業と緊密に協力して、SAFの提供可能性や利用を促進しようとしており、ドバイでもSAFの提供が拡大することを大いに期待しています。」

 

Virent社の社長兼ゼネラル・カウンセルであるデーブ・ケットナー(Dave Kettner)氏は次のように述べています。「Virent社は、エミレーツ航空が再度、よりクリーンなVirentのBioForm® SAK を搭載した100%持続可能な航空燃料を使用したデモフライトを成功させたことをお祝いします。今回のテスト飛行では、Virent社の植物由来の燃料技術によって、100%再生可能な燃料が現行の仕様を満たすことができ、現在の民間航空会社のエンジンで問題なく作動することを示しました。持続可能な航空燃料の使用をより幅広く普及していくためには、今回のデモフライトのように企業がコンソーシアムを組み、一丸となって取り組むことが重要です。当社は今後も引き続き、未来を見据えた企業と連携し、そうした各社との協力を通じて二酸化炭素排出量を継続的に削減し、より燃費効率に優れた航空業界を実現していけるものと考えています。」

 

ENOCグループ最高経営責任者(CEO)であるサイフ・ヒューマイド・アル・ファラシ(Saif Humaid Al Falasi)閣下は次のように述べています。「ENOCグループでは、あらゆる方面にとってより持続可能な未来を実現するためには、戦略パートナーや業界の専門家と連携して取り組むことが重要であると考えています。当社は、エミレーツ航空によるエアバスA380での初の100%持続可能な航空燃料のデモフライトに貢献できたことを喜ばしく思っており、これによりUAEの航空部門の脱炭素化と低炭素航空燃料の地域ハブへの転換に一歩近づいたと考えています。引き続き、航空業界が持続可能な成長を継続していくためのUAEの取り組みを支援していきます。」

 

エミレーツ航空は今年初め、GE90エンジン搭載のボーイング777-300ERで、この地域で初めて100%SAFを動力源とする実証飛行を成功させています。

 

先月、ドバイ国際空港(DXB)から、シェル・アビエーションが提供したSAFを使用したエミレーツ航空の最初のフライトが飛び立ちました。その際、シェルはドバイにある航空会社のハブ空港で使用するため、31万5000ガロンの混合SAFを供給しました。

 

さらに、エミレーツ航空は先日、ネステ社とのパートナーシップを拡大し、アムステルダムのスキポール空港とシンガポールのチャンギ空港を出発するフライトのために、2024年と2025年に300万ガロン以上の混合SAFを供給することで合意しました。

 

現在、エミレーツ航空はノルウェーとフランスでSAFの導入を進めており、今後、供給が可能になり次第、さまざまな空港で順次、SAF使用の可能性を追求していく予定です。

エミレーツ航空は、関連各方面と連携した継続的な取り組みに加えて、業界やUAE政府によるさまざまなワーキンググループに参加して、SAFの生産と供給の拡大に取り組んでいます。昨年、UAEの民間航空総局(UAE GCAA)と共にUAEのエネルギー・インフラ省と世界経済フォーラム主導による、UAEのPower to Liquid(PtL)燃料のロードマップ開発に貢献したほか、2023年1月にはUAEのエネルギー・インフラ省とUAE GCAAによって立ち上げられたUAEの全国持続可能性航空燃料ロードマップ(National Sustainable Aviation Fuel Roadmap)にも積極的に参画しています。

 

* CORSIA等、確立されたライフサイクルアセスメント(LCA :Life Cycle Assessment)手法により算出された数値

 
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