与党はこのほど、09年度税制改正大綱をまとめた。観光関係では、国際観光ホテル整備法の登録旅館・ホテルを対象にしたウェルカム税制の2年延長が認められた。ただ、適用はインターネットの利用環境を整える高速通信設備の取得で、国際放送受信設備は除外された。このほか中小企業関係で、新法に基づき事業承継を円滑にする税制が導入される。
ウェルカム税制は、外客旅行容易化法(旧・外客来訪促進法)で定める宿泊拠点地区内の登録施設が対象。外国人旅行者のニーズが高いインターネットの高速通信設備を新規に取得する場合、1台または1基の取得額が120万円以上で所得税・法人税の30%特別償却を適用する。
08年度までは、海外のテレビ放送を視聴できるようにする国際放送受信設備も対象だが、今回の見直しで対象から外れることになった。
このほか中小企業関係では、08年10月1日施行の「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づく事業承継税制で、非上場株式などにかかわる相続税の納税に猶予措置が実施されることが盛り込まれた。
税制改正にあたって旅館3団体(全国旅館生活衛生同業組合連合会、日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟)が要望した観光圏内の宿泊施設に対する特例措置、国内旅行費用の所得控除措置などは認められなかった。