
宿のデジタルマーケティング強化を訴えた内藤氏
プライムコンセプト取締役副社長の内藤英賢氏は8日、東京ビッグサイトでHCJセミナー「アフターコロナを勝ち残るための宿泊業界の戦略2023~デジタル、SNS、インバウンド攻略~」を講演した。
日本旅館協会のデータを引用し、「旅館の予約経路を19年と20年で比較すると、リアルエージェントが17ポイント減の24%、OTAが17ポイント増の48%で、コロナ禍で予約のオンライン化が加速した」と指摘した。一方、自社サイトは0・5ポイント減の11%だったとも述べ、「宿はデジタルマーケティングを強化する必要がある」と強調した。
具体的には、「顧客管理システム(CRM)とマーケティングオートメーションツール(MA)を導入し、お客さまランクの属性に合わせた情報配信で、マッチングとリピーター促進を図るべき」と話した。
SNSについては「インスタグラムを中心に旅行における存在感が一層増している。SNSをブランド型ホームページだと捉え、組織的な運用体制を構築する必要がある」と説明した。
インバウンドについては、「人手不足を加味して、受け入れ現場では、テクノロジーを駆使した対応をすべき。自動翻訳による多言語館内ツールやチャット、音声翻訳など、活用できるものはたくさんある」と指南。インバウンド集客では、「SNSでの情報収集後、OTAまたは多言語サイトで予約が、インバウンドでも一般的な予約行動。ここでもSNSが鍵を握っている」と話した。
インバウンドが多い国・地域のSNSユーザー数も紹介。中国は、微信(WeChat)12億1千万人、微博(Weibo)5億1100万人、快手4億3千万人。韓国は、カカオトーク4519万人、ユーチューブ4310万人、インスタグラム1600万人。台湾は、LINE2100万人、ユーチューブ1920万人、フェイスブック1800万人。香港は、ユーチューブ644万人、ワッツアップ629万人、フェイスブック500万人とした。
宿のデジタルマーケティング強化を訴えた内藤氏