にぎわい徐々に戻る 移動自粛解除後の全国主要温泉地

  • 2020年7月6日

温泉地はかつてのにぎわいを徐々に取り戻しつつある(6月28日、神奈川県箱根町・箱根湯本駅前)

県外からの問い合わせ急増

自治体のキャンペーンが後押し

 都道府県をまたぐ移動の自粛解除、自治体による観光キャンペーンの実施で、全国の温泉、観光地はかつてのにぎわいを徐々にではあるが取り戻しつつあるようだ。全国の主要温泉地に移動の自粛が解除された6月19日以降の状況を聞いた。

 北海道の登別温泉では、地元の登別市民対象の「湯ったりキャンペーン」が現在行われている。カルルス温泉、上登別、登別東を含めた市内20の旅館・ホテルの宿泊客に宿泊や土産品購買、飲食で使える8千円分のクーポンを配布するものだ。クーポンの利用期間は6月19日から7月20日まで。先着5千人で6月10日から申し込みを受け付けたところ、26日時点で4600人の申し込みがある。

 実施する登別国際観光コンベンション協会は温泉街の状況について「キャンペーンを機に(お客さまの)動きが出始めた」と話す。北海道では道民対象の「どうみん割」キャンペーンが7月1日に開始。国の「Go Toトラベルキャンペーン」も8月上旬ごろから始まる予定だ。地元では誘客対象が広がることでさらなる入り込み増を期待している。

 仙台の奥座敷、宮城県の秋保温泉。市内中心から車で30分の利便性から企業など法人利用が多かったが、「(コロナで)一切なくなった」と同温泉旅館組合。今の時期は高齢者の利用も多いが、「動きが鈍い」という。ただ、移動自粛の全面解除後の週末は人出が増え、隣県の山形ナンバーの車も増えているという。

 同旅組は、同じ仙台市内の作並温泉旅館組合と共同で、市民対象の宿泊キャンペーンを実施。両温泉の宿泊で使える3千円分のクーポンを配布するもので、6月24日から7月5日まで応募を受け付けている。クーポンは千枚を用意し、応募多数の場合は抽選となる。

 群馬県の草津温泉は「使用する客室を減らしているものの、週末(6月20日)は満室の旅館もあった」(旅館協同組合)。温泉街の人出も「休日はほぼ、感染拡大前に戻った」と手応えを感じている。

 県が行っている「愛郷ぐんまプロジェクト『泊まって応援!キャンペーン』」が後押ししている。県民の県内旅館・ホテルの宿泊を5千円割り引くもので、県によると6月5~18日の宿泊実績が約3万1100人、同19日から7月31日までの予約数が約10万7700人(6月26日現在)。県では30万人の定員までまだ余裕があると、利用を呼び掛けている。

 神奈川県の箱根温泉も往時のにぎわいを取り戻し始めている。「6月19日以降は他県からの動きも出てきているようだ」と旅館ホテル協同組合。ただ、家族連れや団体客の戻りは遅いという。

 朗報なのは台風被害で運休していた箱根登山鉄道(箱根湯本―強羅間)の7月23日の営業再開。さらに同組合が企画した宿泊割引券「『箱ぴた』サンクスクーポン」に問い合わせが殺到している。宿で使える1万円分のクーポンを5千円で販売。6月29日にネットで発売したところ、1500枚が即日完売した。地元箱根町でも土産購買や飲食で使える「箱いこクーポン」を7月20日に発売する。

 岐阜県の下呂温泉も草津と同様、週末は満室の旅館が出始めた。旅館協同組合には県外からの問い合わせも増えてきたという。

 6月19日から「超特宿泊プラン」を開始。宿泊に利用できるクーポン最大8千円分プレゼントするもので、市内約150の店舗や施設で使える「街歩きクーポンブック」も付いている。

 石川県の和倉温泉旅館協同組合は、「人は少しずつ、平時まではいかないが動きだした。きっかけは県独自の『宿泊割』キャンペーン。週末を中心に来ていただいている」と、県の取り組みを歓迎、評価する。

 宿泊割キャンペーンは県民限定の企画で、県内の宿泊を伴う旅行商品を購入した人に1人1泊当たり最大1万円を割り引くもの。6月8日から7月30日宿泊分まで有効で、ある大型旅館は同期間、コロナ禍前の7~8割まで予約が回復したという。ただ、秋以降の予約が不透明で、国のGo Toキャンペーンの早期の実施を期待している。

 兵庫県の城崎温泉旅館協同組合は、移動の自粛解除後初の週末について、「前の週と比べて人出に大きな変化は見られないが、電話などの問い合わせが増えた」。毎年夏に行っている花火などのイベントは、ぎりぎりまで行う方向で調整し、7月半ばまでに決定するという。

 愛媛県の道後温泉旅館協同組合は週末の人出について、「40%ぐらいの回復。以前のほぼゼロから、少しずつ動いてきた」と感触を語る。案内所への電話の問い合わせは関東などの遠方からも入りだしたという。

 県が県内の宿泊を伴う旅行に5千円を補助する県民と近隣住民対象のキャンペーンを実施。地元松山市も県民対象に、市内旅館・ホテルの宿泊に千円分の電子マネーをプレゼントするキャンペーンを7月1日から行う予定だ。「さまざまな特典の組み合わせでさらにお得な宿泊ができる」と同組合は積極的な利用を呼び掛ける。

温泉地はかつてのにぎわいを徐々に取り戻しつつある(6月28日、神奈川県箱根町・箱根湯本駅前)

 

 
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