最近、はやりのお店や地元の居酒屋に足を運んでいるだろうか。
前号で取り挙げた、日帰りや付帯売り上げの低迷に悩む施設の話を聞くと、昔話と諦めになってしまうことが多いように感じられる。
「以前は、これだけ売り上げがあった」。だがしかし、「今のお客さまは宴会などしなくなってしまった」「今の若い人は飲まなくなった」「海外ゲストは飲まない、買わないだから」「歓送迎会の集まりがなくなってしまった」という諦めのセリフである。
もちろん、時代の流れとしてそういうことも大いにあるであろうが、果たして本当に、全て時代の流れのせいだけにしてよいものであろうか。
そこで、冒頭の問いに戻るが、はやっている店や地元の居酒屋に足を運んでいるかである。
仮に、「今の若い人や海外ゲストが飲まない、買わない」というのが、一般的であるのであれば、全てのお店がそうなるはずである。
ところが、その中でも売り上げを伸ばしている店は存在している。
やはり、そういうお店に足を運び、「なぜはやっているのか」を学ぶことは大いに大切だと思う。
例えば、「海外ゲストが飲まない、買わない」という諦めを聞くことがとても多いが、では、本当にどれだけの施設が海外ゲスト向けの言語で、メニューを用意しているであろうか。おそらく、そう多くはないであろう。
また、はやりのお店に行っていれば、「今年はレモンサワーがはやっている」などの気付きがあり、どうすればそれを自身の施設に取り入れて、お客さまにPRできるかとなるはずである。
あるいは、地元の居酒屋に足を運べば、同じ商圏の中のお客さまの相場観がつかめて、価格や内容で劣っていれば、お客さまが流れていくのは当然の事である。
もちろん、全てはやりにのっかりましょうということではない。諦める前に、まだ実施できることがあれば取り組んでほしいと思う次第である。
もし、近頃、はやりのお店や地元の居酒屋に足を運んでいなければ、まずはそこから踏み出してはどうであろうか。
必ず何か学びがあるはずである。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)