【VOICE】台湾との交流促進に向けて 日本観光振興協会四国支部支部長(四国旅客鉄道相談役) 泉 雅文氏


日本観光振興協会四国支部支部長(四国旅客鉄道相談役) 泉 雅文氏

教育旅行を架け橋として

 今年2月に台湾花蓮県にある慶修院に赴き、四国と台湾の縁を学ぶオンラインセミナーを現地と四国を結び開催した。同寺院は台湾で四国霊場八十八ヶ所巡りができるよう、境内に八十八ヶ所の本尊が復元、祭られている。台湾とのご縁でいうと、台湾で水力発電所を完成させた松本幹一郎や、「台湾漆芸の生みの親」と呼ばれる山中公(ただす)など台湾の発展に寄与された四国ゆかりの方も多くいる。

 コロナ禍前の2019年、観光庁宿泊旅行統計調査によれば、四国を訪れる国・地域としては台湾が一番多く、コロナ禍から脱却しつつある現在においても、四国4県それぞれが台湾からの直行便やチャーター便の就航により、台湾からの誘客に尽力されているところである。そして弊支部としても四国4県および4県観光協会等と連携し協議会を設け、広域連携による優位性を生かし、台湾からの誘客促進に取り組んでいる。

 中でも可塑性(かそせい)に富む若い世代が、四国滞在中に有益な体験や交流の機会を通し、四国の魅力を知ってもらうことで、将来にわたり相互交流が図れるよう、台湾からの教育旅行の誘致に注力しているところである。学校交流や民泊などのマッチング調整、受け入れ時の各種支援など窓口を一本化した受け入れ体制を構築し、取り組みを開始した2011年度から2019年度までの間で、四国訪問校数67校、学校交流数53校、姉妹校締結13校、民泊校数54校を数えるまでになった。2019年には台湾との一層の交流拡大を図るため、台湾全土の学校長で組織する「台湾国際教育旅行連盟」と包括連携協定を締結したが、コロナ禍により人的交流が途絶えてしまった。

 そのような中、同連盟は2020年7月に解散し、連盟の事務局は政府の「台湾教育部国民及学前教育署」に移管され、「台湾国際教育旅行連盟2.0」が設置された。新たな連盟では、対象を高校・高専から小・中学校を含む交流に対象を拡大、SDGsや5Gを意識した交流方式の拡大を図るなどさまざまな改変がなされた。

 四国においてもコロナ禍からの台湾との交流復活を見据え、産官学民の関係者と連携し、支援を行う特使制度を設け、SDGsに取り組む企業や、小中学校との交流が図れるよう教育委員会等と連携を図るなど、四国への教育旅行の受け入れ体制の充実を図ってきたところである。今年7月には台湾からの学校訪問も再開し始めた。生徒の皆さんが四国で体験したことを縁として、将来にわたり四国との絆を強めていただけたら幸いである。

 

 
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